タビガタリ

京都観光

千年もの間、都として栄えた京都。金閣寺や清水寺をはじめとする文化財だけでなく、自然や食など数多くの魅力が集まっています。
数多くのスポットが集まる京都市内の他にも、日本海に面した北部にある伊根の舟屋郡、森林に囲まれた西側の美山かやぶきの里など日本の原風景を感じられる地域も随所にあり、一年を通して多くの観光客が訪れます。

地域コラム

京都アンダーグラウンド

説田 稔(LIFETIME 店主)

わたしが暮らすのは、御土居の中(洛中)にありながら、観光地の喧騒は遠くに感じられる、紫野。機織りをしていた母の実家のある縁深い町でもあります。そんな紫野の小径を抜けるたび、あちこちからパンと珈琲の香りが漂ってきます。
「京都人はパンと珈琲が好き」と言いますが、わたし自身もその一人。皆、それぞれお気に入りのパン屋さんや喫茶店があり、珈琲を口に含めば、パンの甘みと絶妙に溶け合い、思わず目を閉じて味わいたくなります。紫野には大徳寺や今宮神社という古刹や古社もあり、その静けさが街の喧騒をさらに遠ざけてくれるかのようです。ここはまさに「京都アンダーグラウンド」。商業的な派手さに染まらず、自分たちの時間と空間を手作りで守る自由なDIY精神が息づいています。この街の人々が求めるのは、味覚以上のものです。観光地では味わえない静かなひとときを、香りと味わいに身を委ねながら、日常の喧騒から離れ、自分のリズムで時間を過ごしています。それだけでも満ち足りているというのに、わたし個人的には、愛猫が元気でいてくれたなら、紫野での日々はまさに至福そのものと言えるのです。

おすすめスポット

  • 細見美術館

    京都の文化的施設が集まる岡崎エリアで、一際目を引く建物の細見美術館。地上3階、地下2階からなる建物は、中央部には吹き抜けとなった中庭があり、屋上庭園や茶室もあります。日本画の“琳派”や“伊藤若冲”作品を多く所蔵していますので、岡崎公園の散歩とセットで東洋古美術をじっくり見に訪れてはいかがでしょう。

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  • 鴨川

    京都市内を南北に流れ、京都の風景の象徴ともなっている鴨川。繁華街である祇園と河原町に挟まれていて、多くの人に親しまれています。夕方から夜にかけての風情ある風景を見ながら食事やお酒を楽しむ、夏の納涼床はもちろん、喧騒から外れてのんびりゆっくり川沿いを歩くのにもよいスポットです。

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