琵琶湖の東側、近江商人の発祥地であり、安土城などの歴史的遺産も多い近江八幡市は、水田やヨシ原が広がり、水郷めぐりなども楽しめます。
その近江八幡市に2015年にオープンしたのが、和菓子の「たねや」、洋菓子の「クラブハリエ」を運営するたねやグループのフラッグシップ店である〈ラ コリーナ近江八幡(以降、ラ コリーナ)〉です。
お店といっても、こちらは広大な敷地の中に田んぼや畑、ショップが立ち並んでいて、さながら「自然」のテーマパークのような店舗。そして設計には我々編集部の大好きな藤森照信氏が携わっています(名付け親はミケーレ・デ・ルッキ氏、ランドスケープデザインを重野国彦氏が担当)。
これまでに多治見市モザイクタイルミュージアム秋野不矩美術館ねむの木こども美術館と、“藤森建築”を当メディアで紹介してきましたが、ここ〈ラ コリーナ〉もずっと訪れたいと思っていた場所でした!
着いてすぐ、駐車場の横を抜ける長いアプローチからすでに世界観が広がっています!藤森建築のシグネチャーとも言える、植物の生えた「草屋根」が見えてきました…!
入り口となるエントランス棟はメインショップ。たねややクラブハリエのお菓子が売っているお店が1階に、2階にはどらやきを楽しめるカフェがあります。吹き抜け部分の天井が高くて気持ちのよい空間で、その天井の何とも言えない手作り感のある模様は黒炭であしらわれているそうです。

ショップをぐるりと回った後に敷地奥に向かうと、現れたのは広大な花畑!伺った時期はちょうど菜の花が満開(2025年4月)。空が高く、草花が自由な感じに伸びていて、その中に個性的な建物がポコポコと建っている…藤森建築を見るたびにいつも思うことですが、絵本の中にいるような気分になります。
大きな帽子のような、はたまた大きなお饅頭のようにも見える不思議な建物はオフィス棟。その奥にあるのがバームファクトリーです。甘い香りに誘われて中に入ると、クラブハリエのバームクーヘンが作られる様子を望めます。1階でお土産用のバームクーヘンをじっくり吟味したあとに、焼きたてのバームクーヘンminiが食べられるという2階のカフェに上がりました。
カフェの中にあるベンチ。これは…バームクーヘン??
カフェの中にあるベンチ。これは…バームクーヘン??
「焼きたてバームクーヘンminiとドリンク」を頼んで、テラスに出てみるとすごい見晴らし!敷地中央にある田んぼを含む全体が丸ごと見えます。周りを囲む山々、田園も近くに感じて、本当に気持ちがよいです。
バームファクトリーのテラスから
バームファクトリーのテラスから
バームファクトリーから田んぼを挟んで、反対側にはフードコートやギフトショップもあります。そしてまだ建築計画中の建物もあるそうです!どのスペースにもこだわりがあり、世界観が細かく表現されているので、じっくりこの世界に浸れます。ラ コリーナ全体が素晴らしいのはもちろんですが、いろいろなディテールにもつい目がいってしまいます。窓、ドア、そして屋根。人の手で作られた感じがあって、柔らかさがあって、自然をすごく近くで感じられるような雰囲気が素敵です。時間が経って変化していくのも楽しみですよね。きっと、また違う季節に来たら全然様子は変わるのだろうなぁと思います。
敷地を出た後にさらにもうひとつの楽しみが!
2024年に完成したバス停留所「北之庄ラ コリーナ前」の待合所です。こちらも設計が藤森照信氏ということで、もちろんチェックしました!遠目からも分かる素敵な佇まい。屋根から木が突き抜けていてかわいいです。
この日は青空が広がり、光や風がとても気持ちよかったです。自然を、建築を、そしてもちろんスイーツも、しっかり堪能させていただきました!


Text & Photo:tabigatari editorial department


いつもと違う滋賀県観光には、近江八幡市の〈ラ コリーナ近江八幡〉がおすすめ。
 

ラ コリーナ近江八幡


所在地滋賀県近江八幡市北之庄町615-1(Google Map
アクセスJR近江八幡駅北口より近江鉄道バスで約10分【北之庄ラ コリーナ前】バス停すぐ
電話番号0748-33-6666
URLhttps://taneya.jp/la_collina/
Instagram@taneya.clubharie
開館時間9:00〜18:00(フードコートは10:00〜17:00)
休業日元旦


 
※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。