浜松市秋野不矩美術多治見市モザイクタイルミュージアムと、取材中に時間があれば“藤森建築”を見に行きたくなってしまう我々編集部。先日訪れた掛川でも藤森照信さんの建築物があると聞き、居ても立っても居られず足を伸ばしました。
掛川駅の北口から「ねむの木美術館前」行の市バスに乗ります。駅前の二宮尊徳先生や掛川城を横目に見ながらめざすのは「ねむの木村」。歌手で俳優でもあった宮城まり子さんが設立した福祉型障害児入所施設「ねむの木学園」があり、同じ山の中に、美術館や養護施設、喫茶店や遊歩道なども連なって、ひとつの村になっているのだとか。
街を抜けると広がるのは田園風景。心が穏やかになりますね。バスが15分ほど走り続けると、大きな壁画のある「ねむの木村」の看板が。そこから山の中に入っていきます。

ねむの木学園は元々同じく静岡県の御前崎市にあったそうですが、1997年に現在の掛川市に移転。1999年にねむの木村を開村したそうです。
細く曲がりくねった道を進むと、ねむの木村のいろいろな施設やお店が見えてきます。そして…ついに!これぞ藤森さんという特徴的な建物が!「ねむの木こども美術館 どんぐり」です。
ゆるやかに曲がった小径と、まあるい「どんぐり」のような屋根。可愛いですよね。
ゆるやかに曲がった小径と、まあるい「どんぐり」のような屋根。可愛いですよね。
目の前のバス停「ねむの木美術館前」で降りて、さっそく館内へ。
まずアプローチから絵本の中のようです。多治見市モザイクタイルミュージアムでも感じましたが、このアプローチで美術館の世界観に没入してしまうんですよね。
入り口を開けると、奥にもドアが…?職員さんに聞くと、美術館の展示スペースにはこちらを抜けて反対側に行くのだそうです(通り道にはグッズ販売スペースがありました!)。
反対側もとにかく可愛い。
反対側もとにかく可愛い。
反対側に出るとぐるりとUターンするような道があり、ぐるりと回って建物の左右反対側へ。丘の中腹にあたる高さにある、都合3つ目のドア(2階)にたどり着いたら、そこが入り口です。説明が拙く、ちゃんと伝わっているか不安ですが…。それにしても展示スペースに入る前からすでに「体験」が始まっていますね…!
丘の中腹に潜っていくような美術館の入り口。壁面の絵は村の子どもたちと一緒に描いたそう。
丘の中腹に潜っていくような美術館の入り口。壁面の絵は村の子どもたちと一緒に描いたそう。
展示されているのはねむの木村の子どもたちが描いた絵。ものすごく精緻なものや、カラフルなもの、タッチも大きさも様々ですが、どれも「純粋さ」のようなものを強く感じます。

そして実は、ねむの木村には二つの美術館があり、さらに奥には「緑の中」という美術館があるといいます。「どんぐり」からは山道を歩くことになりますが、散策も兼ねて行ってみることに。
着きました!「緑の中」の名の通り、山の中にひっそりとたたずむこちらの美術館は、ガラス張りの明るい雰囲気。設計は坂茂さん。「どんぐり」とは全く違う雰囲気ですが、こちらも気持ちのよい美術館です。展示はねむの木村のこどもたちのほか、宮城まりこさんの原画もありました。
自然の光がたっぷり入ってくる気持ちのよい空間で、じっくり作品たちを観させてもらったら、山道を降りて戻ります。帰りのバスまで時間があったので、村内の「喫茶MARIKO」でしばし休憩。自然に囲まれたお店でゆっくりコーヒーをいただきます。バスが来ました。
またのんびりと掛川駅の方まで揺られて戻ります。元々の目当ては藤森さんの建築でしたが、ねむの木村全体がとっても素敵な場所でした。
今回は訪れられなかった吉行淳之介文学館や、ギャラリー、お店などもあります。山の中の素敵な村。また違う季節にも訪れてみたいと思います!


Text & Photo:tabigatari editorial department


いつもと違う静岡県観光には、掛川市の〈ねむの木こども美術館〉がおすすめ。

ねむの木こども美術館「どんぐり/緑の中」


所在地どんぐり:静岡県掛川市上垂木3399-1(Google Map
緑の中:静岡県掛川市上垂木3534-3(Google Map
アクセスJR掛川駅から掛川バス「ねむの木美術館前」行で約20分
電話番号0537-26-3985
URLhttps://www.nemunoki.or.jp/nemunokiartmuseum-donguri
開館時間10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日年末年始 ※詳細はホームページにてご確認ください

 
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