南アルプス南部から駿河湾へ注ぐ大井川の両岸に位置する、南北に長い土地。大井川下流域と菊川に挟まれた洪積地帯の牧之原台地は、かつて米作などには向かないため不毛の地とされていたが、現在は日本有数の大茶園が広がっている。
江戸時代には、東海道23番目の嶋田宿、24番目の金谷宿が設けられた。江戸の防衛上の理由から橋を架けられなかったため、明治時代に入るまで、人の肩などに旅行者や荷物を乗せて運ぶ川越(かわごし)制度を導入。その後、世界最長の木造歩道橋「蓬莱橋」が整備された。蒸気機関車が走る大井川鐵道、国内外と静岡を繋ぐ静岡空港があり、昔も今も交通の要衝である。
 
和装の花嫁の伝統的ヘアスタイル、文金高島田を始めとする島田髷(しまだまげ)は、島田宿の女郎に由来するとされる。江戸時代初期に原型が生まれると大流行し、どの身分の娘も取り入れるようになった。島田市では、島田髷発祥の地として「島田髷祭り」を開催している。
“地球上でもっとも緑茶を愛する街”として、「島田市緑茶化計画」を推進。門出駅にある緑茶色のポスト、ティーグリーン色にラッピングした飛行機、FDA8号機(JA08FJ)(2023年3月31日まで)など、街の魅力を“緑茶化”してPRしている。

 

Text: Kahoko Nishimura
Photo: Masaki Kobayashi



 


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※記事中およびイラストマップの情報は2022年9月の情報です。掲載されている情報が現在とは異なる場合があります。