現在の町の原型は、江戸時代にここを治めた津藩藤堂氏による城下町。この頃は伊勢参りの宿場町としても栄えた。異国の衣装を模した仮装行列や、朝鮮通信使の影響も受けたという「唐人(とうじん)おどり」は、現在も秋の津まつりで見ることができる。
近隣の町、松坂名産の松阪牛や、伊勢湾で採れる伊勢海老が有名で、天むす発祥の地とされる。近年も食文化は発展し続け、紀伊半島に棲む鹿をブランディングした「三重ジビエ」は、津市の三重県立美術館にあるレストランから生まれた。また、旧津市エリアは人口比で日本一鰻屋が多いとされている。
Text: Kahoko Nishimura
Photo: Natsumi Kakuto
津市の記事
- 2022.04.20 ミュージアムレストランめぐり 「ミュゼ ボンヴィヴァン」松阪牛、伊勢海老に次ぐ、隠れた三重名物の“みえジビエ”を軽やかなランチで。〈三重県立美術館〉 津駅からすぐ、唯一無二のフレンチレストラン。 三重県の県庁所在地、津市。その海岸側に位置するJR津駅からバスで約2分というアクセスの良さで〈三重県立美術館〉に辿り着く。それを感じさせないほど、辺りは静かで穏やか。小鳥のさえずりが聞こえ、緑が気持ちいい庭もある。ここはまさに、アートをじっくり楽しむにはもってこいの場所。近所からは犬を散歩させる人もやってくる、ピースフルな雰囲気だ。芝生の広場に面したフ READ MORE
- 2022.04.27 ミュージアムショップガイド 「三重県立美術館」のミュージアムショップ。ひっそりと構えるショップを覗いてみると、地元の逸品がぎゅっと詰まっていた。 さりげなく置かれた名品に注目を。宝探しのようなショップへ。 三重県の伊勢湾沿いに位置する津市に、〈三重県立美術館〉がある。ここはJR津駅からほど近いのに、周りには閑静な住宅街が広がり、緑も多い。近所から散歩しにくる人が羨ましくなる、心地のいい場所だ。企画展は国内外のアートが集い、有名作品が展示されるイベントも巡回してくる。 併設するショップは、建物の一角にひっそりとある。この奥ゆかしく、飾り気のな READ MORE