東端には標高1000m級の鈴鹿山脈が走っている。琵琶湖へ流入する河川で最長の野洲川、信楽盆地の中を流れる大戸川など、山も川も豊かな自然が広がっている。ここは、五街道の一つである東海道が東西を横断し、かつて水口宿と土山宿が置かれていた。大阪、名古屋からは100キロ圏内にあるなど、現在でも近畿圏と中部圏を結ぶ広域交通路が通っている。
瀬戸、常滑、備前などに並び日本六古窯に数えられている信楽焼は、付近の丘陵で採れる土の性質による独特な温かみのある“火色”と、自然釉であるビードロ釉と焦げたような風合いが特徴だ。特に狸の置物で知られ、現在では「わび」「さび」が感じられる日用の陶器も造られている。そのほか、土山茶や朝宮茶など、有名な日本茶ブランドも。
Text: Kahoko Nishimura
Photo: Natsumi Kakuto
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