瓦に適した粘土があり、船での運搬も便利な地理にあったため、約300年前から瓦が作られるようになった。高浜港駅に降りると、あちこちに瓦の工房があり、名産地であることがよくわかる。三州瓦は日本で生産される瓦の約6割を占めると言われ、屋根瓦の使用が減少してきた現在は、器やアートなどの作家になる職人も増えているという。鬼瓦を作る鬼師のユニークな作品は、国内唯一の瓦専門美術館〈高浜市やきものの里瓦美術館〉で見られる。また、吉浜地区では「吉浜細工人形」が作られ、県の無形文化財に指定されている。
吉浜地区では養鶏業が盛ん。卵を産まなくなった鶏を食べるための料理として、地域では「とりめし」が作られるようになっていった。硬い肉質を食べやすくするため薄くスライスし、たまり醤油や砂糖、鶏油で炊いた具材を白米と合わせたもので、コクのある味わいで親しまれている。
Text: Kahoko Nishimura
Photo: Natsumi Kakuto
高浜市の記事
- 2022.07.20 ミュージアムレストランめぐり 「レストランOmi」三河湾の港近郊で過ごす、束の間のバカンス。〈高浜市やきものの里 かわら美術館〉 旅の気分を増幅させる、温もりのあるインテリアと料理。 今回目指すレストランは、愛知県高浜市にある。ここは三河湾に面した入江で、古くから瓦造りが盛んに行われてきた町。高浜港駅から徒歩で約10分という立地に、日本で唯一の“かわら”がテーマの美術館が建っていて、レストランはその一角にある。レストランの前には小さな公園があり、美術館から、公園から、とさまざまな入り口が開かれている。 READ MORE
- 2022.07.27 ミュージアムショップガイド 「高浜市やきものの里 かわら美術館」のミュージアムショップ。瓦の名産地で見つけた、小さくてかわいいもの。 瓦がかわいいアイテムに!他では出会えないものを探して。 三河湾の入江にある高浜市は、古くから瓦の産地として栄えてきた。JR名古屋駅から電車を乗り継いで高浜港駅に降り立つと、「瓦の町」であることが実感できる。駅前にある「ニコニコ鬼広場」には大きな鬼瓦がそびえ立ち、周りに佇む動物の像も焼き物で作られている。瓦のイメージを覆すかわいさに、思わずほっこり。 この長閑な町には国内唯一、瓦にまつわる美術館があ READ MORE