瓦がかわいいアイテムに!他では出会えないものを探して。
三河湾の入江にある高浜市は、古くから瓦の産地として栄えてきた。JR名古屋駅から電車を乗り継いで高浜港駅に降り立つと、「瓦の町」であることが実感できる。駅前にある「ニコニコ鬼広場」には大きな鬼瓦がそびえ立ち、周りに佇む動物の像も焼き物で作られている。瓦のイメージを覆すかわいさに、思わずほっこり。
この長閑な町には国内唯一、瓦にまつわる美術館がある。駅から徒歩で10分ほど移動すると、赤茶色の建物が見えてきた。瓦のかわいいグッズを探してみよう。
職人の技を日常に。三河のクラフトマンシップを感じるもの。
手作業で鬼瓦を作る職人は「鬼師(おにし)」と呼ばれ、瓦職人の中でも特別な存在。国内でも80人ほどしかいないと言われ、特に高浜には人数が多いという。〈高浜市やきものの里 かわら美術館〉のミュージアムショップでも、さまざまな職人の作品を見ることができる。迫力のある鬼面も、小さな箸置きになればどこか愛らしい。寝そべった姿がかわいい猫のタイプも並んでいた。
若手の鬼師、永濱貴之さんは、鬼面を人形にしたユニークな作品を作っている。この角がない鬼面は、奈良時代以前に作られた古代鬼面と呼ばれるものだそう。カトラリーレストやフィギュアなど、心をふっと軽くしてくれるユニークなものばかり。
町には、瓦職人以外の陶芸家も多いという。高浜生まれの作家、森克徳さんがその一人だ。三州瓦の「いぶし」技法を取り込んだ作品でも知られている。鬼瓦が描かれた小皿は、森さんが活動する〈古郷庵〉から。ナチュラルな色合いで、使い勝手が良さそう。お茶菓子を乗せるにはぴったりだし、絵画のように飾っておくのもよし。
陶器×植物で涼やかなインテリアを。
無機質な印象の瓦に植物を合わせると、クールなインテリアに。アクアリウムホビーと瓦職人のコラボで生まれた「Sanshu Moss Pot」は、手軽に苔を育成できるキット。瓦でできた小さな鉢の中に苔庭を作り、育てるうち、日々の癒しになってくれそう。
切花やグリーンを生けたいなら、こちらの花器がおすすめ。屋根瓦のようなカーブを描いた鉢が、柔らかな雰囲気を作っている。安定感があるので、一般的な花瓶よりも倒れにくいのも嬉しいところ。
ほっこりと優しいアイテムを手に取る。
瓦や陶芸作品以外にも、ショップのスタッフによって文房具や生活雑貨などがセレクトされている。この柔らかな色合いの布巾もその一つだ。日本の伝統的な刺繍、刺し子が施されていて、大切に使いたくなる上品さ。〈伊藤刺し子店〉のアイテムは、近隣の町・刈谷にある作者の自宅で手縫いされているという。優しいカラーの糸は天然染料で手染めされたもの。これもまた、この街のクラフトとしてお土産にしたい。
店内を見渡すと、ゆるくてかわいいキャラクターがあちこちに。正体は、美術館のオリジナルキャラクター「かわらっちょ」。美術館スタッフの手作りぬいぐるみになって飾られていたり、足元のステッカーになっていたり。美術館を宇宙船と勘違いしてやってきた宇宙人のかわらっちょは、瓦に恋して、瓦の着ぐるみを手作りして楽しんでいるのだそう。cuu designさんによるデザインだ。
かわらっちょは、付箋やメモ帳といったアイテムにも。瓦のハードなイメージとは裏腹の、のほほんとした文房具たちに癒されるはず。デスクにこっそりと置いておきたい。
ひねりのある品をショッピングするなら。
瓦の街、高浜でしか出会えないものばかりのセレクトショップ。展覧会の会期中は、展示に合わせて集めたさまざまなアイテムも並ぶ。ここは美術館の受付を兼ね、1階に構えている。買い物だけでも入りやすく、近くの公園でゆったりしつつ訪問するのもいい。
Text:Kahoko Nishimura
Photo:Natsumi Kakuto
いつもと違う愛知県観光には、高浜市の〈高浜市やきものの里 かわら美術館 ミュージアムショップ〉がおすすめ。
高浜市やきものの里 かわら美術館 ミュージアムショップ
所在地 | 愛知県高浜市青木町9-6-18 |
アクセス | 高浜港駅から徒歩約10分 |
電話番号 | 0566-52-3366(美術館) |
URL | http://www.takahama-kawara-museum.com/ |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
休業日 | 月曜・火曜(祝日の場合は開館・翌平日が休館)、年末年始 |
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