愛知県の中央北部に位置し、県内で最も面積が広い。市名はトヨタ自動車とその創業者一族の姓に由来し、「クルマのまち」として知られる企業城下町だ。名古屋グランパスエイトのホームスタジアム〈豊田スタジアム〉や〈豊田市美術館〉などの施設のほか、香嵐渓や足助の街並みなど、県外から人を集めるスポットが随所にある。

第一次産業では、桃や梨が県下有数の生産量を誇っており、米や茶の生産も盛ん。なんと言っても中心となる産業は、自動車生産をはじめとした第二次産業だ。自動車の関連企業も多く、国内随一の工業都市と名高い。
 
徳川家のルーツとされる松平氏は、現在の豊田市で興った。松平家にまつわる史跡が集まる松平郷は、街の観光スポットになっている。そのほか、かつて物資運搬や庶民通行の要所として栄えた商家町・足助は古い町並みが保護され、愛知県で初めての国の重要伝統的建造物群保存地区にされるなど、歴史を感じられる場所が残っている。
 
北部は1000m級の山々に囲まれ、市内の最低地との標高差が約1200mもある。長野や岐阜から流れてくる一級河川の矢作川は市内を通り、三河湾へ注いでいる。矢作川はまた、岐阜県との境にある奥矢作湖や、支流の巴川に作られた渓谷・香嵐渓など、紅葉の美しい景色も作り出す。

 

Text: Kahoko Nishimura
Photo: Natsumi Kakuto



 


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