静岡発、中華とお燗の組み合わせの妙


JR静岡駅から駅前の繁華街・紺屋町を抜けると、懐かしい街並みの中に新しいお店が増えていきている人宿町や七間町、梅屋町と続きます。飲食店も多い中、落ち着いた文化的な雰囲気もあり、歩いていて楽しいエリアです。
今回のお目当ては、その梅屋町に2023年に移転オープンした「華音(はなおと)」です。店名の冠には「お燗と中華」との文字が。どちらも大好物ですが、なかなか一緒に食することのない組み合わせですよね。“静岡県内の厳選された旬の食材を使った創作中華に、純米酒のお燗を合わせる”。そんな前情報を得て、心躍らずにはいられません!
と言いながら、しっかりビールもいただいて喉を整えます!
と言いながら、しっかりビールもいただいて喉を整えます!

口の中が喜ぶ、不思議な一体感


メニューを見ると、棒棒鶏があり、海老チリがあり、麻婆豆腐がありと、中華の王道たる文字が目に入りますが、カウンターに座って店主・登崎さんの中華鍋を振る様子を見ていると、なかなか一筋縄ではいかないような魅力的な雰囲気が漂ってきます。

ビールで軽く口を湿らしながら、お燗とともに注文するアテを吟味。まずは「干し湯葉とセロリのあえ物」と「大和しじみ紹興酒漬け」に決めました。お燗は地元静岡・菊川のお酒「森本・炸裂純米辛口」をいただきます。
期待を裏切らず、最高のスタートを切りました!香味野菜と辛口純米酒の組み合わせ。そして紹興酒の香りと絶妙に合わさった滋味深いしじみの味わい。すでに口の中が大喜びしています。

中華とお燗がこんなに合うとは、本当に嬉しい発見です。となると王道の料理も合わせてみたくなり、早くも「四川麻婆豆腐」を注文。カウンターの中で店主が丁寧に作る様子を眺めて、お燗をいただくのもよい時間です。
熱々の麻婆豆腐は花山椒がしっかり効いています。その心地よい痺れを感じながら熱燗を口にする…どちらの香りも強く感じられる気がして、とにもかくにも幸せな気分になりました。続いて「発酵白菜と春雨の煮込み」はクリーミーな舌触りながら程よい酸味を感じて、これまたお酒がスイスイ進んでしまう一品。さらには「鰹と青唐のなめろう」を海苔に巻きながらいただく…この頃には静岡の萩錦「土地の詩」がお供に。そして、最初から『これは絶対注文しよう!』と決めていた「中国黒酢酢豚」をいただきます。大きなサイコロ状の豚肉は、富士宮市の老舗精肉店「さの萬」が生産するオリジナルブランド豚「萬幻豚(まんげんとん)」だそう。外側はカリカリサクサクで、中はとってもジューシー。そこに黒酢のツヤツヤ濃厚なソースが絡んでいて、とんでもない酢豚でした!

一度食べると、何度も通いたくなる味

見るからにこだわりの感じられる純米酒ラインナップ
見るからにこだわりの感じられる純米酒ラインナップ
中華にお燗。初めての体験でしたが、その相性の良さに本当に驚きました。全ての料理にこだわりが感じられて、シンプルな味付けなのに特別感のある魅力的な品々。初めての訪問にして虜になりました。
中華料理屋としては珍しい「杉玉」にも納得!
中華料理屋としては珍しい「杉玉」にも納得!
お店に伺ってからまだそんなに経ってないというのに、次は今回食べることのできなかったあれやこれやを頼みたい…と妄想しています。その時間も楽しいですよね。また伺いたいと思います!



Text & Photo:tabigatari editorial department




いつもと違う静岡県観光には、静岡市の〈華音〉がおすすめ。

お燗と中華 華音


所在地静岡県静岡市葵区梅屋町4-12(Google Map
アクセスJR静岡駅から徒歩約20分
電話番号054-273-8591
Instagram@okan_to_chuka_hanaoto
営業時間火曜~土曜 15:00~23:00(22:00L.O.)
日祝 13:00~21:00(20:00L.O.)
休業日月曜

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。