“徳川家康の生誕の地”という意味をもつ、愛知県東岡崎の康生エリア。古くから商業地として栄えてきたこのエリアは、近年新しいスポットが増えて、新旧入り混じった独特の雰囲気を醸し出している。今回は東岡崎のマイクロホテル〈ANGLE〉に宿泊し、周辺の魅力を教えてもらいながら町で暮らすように旅をしてみた。東岡崎の日常にはどんなおもしろいことが待っているんだろう。

ホテル〈ANGLE〉から聞く東岡崎のおもしろさ


今回、旅の拠点となるのは、マイクロホテル〈ANGLE〉。町で一番古いカメラ屋をリノベーションしてできた宿で、東岡崎の町の魅力を伝えるメディアのような役割を目指している。
掲げたコンセプトは、“ぼくらの「アングル」をきっかけに岡崎のまちを捉えるマイクロホテル”。地元企業とコラボレーションした家具や照明など、心地良い空間づくりにもこだわり、岡崎で暮らす生活の豊かさを伝える。そんな〈ANGLE〉が、特に力を入れているのは宿泊するユーザーに対する町の観光案内。オーナーの飯田圭さんをはじめ、〈ANGLE〉のスタッフが普段から利用しているおすすめのお店やスポットを観光客に紹介している。
各部屋には〈ANGLE〉で実際に使用されているインテリアのカタログをはじめ、オリジナルの観光MAPなどが置いてあり、ここだけの質の高い情報を得ることができる。
各部屋には〈ANGLE〉で実際に使用されているインテリアのカタログをはじめ、オリジナルの観光MAPなどが置いてあり、ここだけの質の高い情報を得ることができる。
飯田さんに東岡崎について聞いてみると、「発見のあるディープな町」と魅力を語ってくれた。

「もともとは城下町として、その後は岡崎の商業の中心地として栄えてきた町です。そんな康生エリアは50年や100年続く老舗がある一方で、ここ10年のうち新しい個人店がどんどん増えて、新旧入り混じった新しい魅力が生まれています。中核都市にしては自然が多いのも魅力で、岡崎市の中心を流れる乙川がゆったりとした時間を作り上げています。一度訪れたらハマる人も多いですよ!」〈ANGLE〉をきっかけに町のおもしろさに気づき、何度もリピートする人や、さらには移住してくる人も多いのだそう。せっかくなので今回は、東岡崎の魅力をより感じられるディープなスポットをいくつか教えてもらった。
「特にホテルから歩いて約15分の圏内は、ほかにはない魅力にあふれたお店がたくさん集まっています。深掘りするとクセになるお店ばかりなので、ぜひいろいろ周って楽しんでください!」
飯田さんの言葉にワクワク感がどんどん湧き上がってきた。さあ、さっそく町に繰り出してスポットを巡ってみよう。

 Day:1 (Spot 1) Lunch 

音楽好きのオーナーが始めたラーメン店〈銀界拉麺〉


まずランチに立ち寄ったのは、ホテルからほど近くにある〈銀界拉麺〉。店舗はビルの2階にあるが、なんと看板がない。知らなければ通り過ぎてしまいそうな、まるで隠れ家のような雰囲気のラーメン屋さんだ。
店内は入って右側がカウンター、そして左側にオリジナルグッズやレコードを販売するスペースがある。そして、大音量で流れるお洒落な音楽。ラーメン屋とは思えないほど個性あふれる空間になっていて驚いた。

〈銀界拉麺〉は、愛知県西尾市の人気ラーメン店〈麺の樹ぼだい〉を営む牧原さんが、大好きな音楽を楽しめるお店を作りたいと、2019年にオープンしたお店。スピーカーにこだわり、良質な音を聞かせる唯一無二の空間を作り上げた。メニューは、自家製麺を使った定番のラーメンやまぜそばのほか、季節限定ラーメンなどが揃う。今回頼んだのは、一番の人気メニュー「合鴨の汁なし(まぜそば)」。

もちもち食感の麺に、合鴨ひき肉のそぼろや、新鮮なシャキシャキ野菜、卵黄などをのせたボリュームたっぷりの一杯。よく混ぜ合わせてから食べると、特製の醤油ダレとまったりとした卵がからまって、やみつきになるおいしさ。
食事を満喫したあとはお買い物を。各地で活躍する作家さんとコラボしたオリジナルのTシャツや、牧原さんセレクトのレコードなど、ワクワクするグッズにあふれていて、ついつい長居してしまいそうだ。

 Day:1 (Spot 2) 

自然豊かな籠田公園にぶらり立ち寄って


〈銀界拉麺〉を満喫したあとは、近くにある籠田公園に立ち寄ってみた。2019年にリニューアルオープンした籠田公園は、芝生広場を中心に遊具やステージ、休憩スペースなどが整備され、気持ちよく過ごせるスポットに生まれ変わった。夏祭りをはじめ、さまざまなイベントが定期的に行われる、まさに市民の憩いの場。
この日は天気が良く、籠田公園は子ども連れやサッカーを楽しむ小学生などでたいそう賑わっていた。穏やかな空気が流れていて、なんだか気持ちが落ち着く。岡崎の暮らしの豊かさが想像できた。

 Day:1 (Spot 3) 

HIPHOPグッズを販売する一風変わったコンビニへ


続いて連尺通りにあるローカルコンビニ〈タックメイトセンガ〉を目指す。籠田公園から5分ほど歩くと、レトロな看板が見えてきた。
1980年代に誕生し、長きにわたりこの地で営業してきた〈タックメイトセンガ〉。店名の「TAC(タック)」は「宅配」を意味し、もともと酒屋を営んでいた経緯からお酒の宅配サービスも提供していた。

そんな〈タックメイトセンガ〉が大きく変わったのは、2020年頃。岡崎市が取り組むまちづくりプロジェクトの一環で、HIPHOPやスケボーなどストリートカルチャーを届ける〈DM710〉が加わり、店内の様子はガラリと変わった。アメリカのカルチャーを感じられるグッズやレコードなど、コンビニとは思えない個性的な品揃えで、訪れる人の好奇心を刺激する。岡崎の歴史あるコンビニは、今一番新しくてアツいスポットになっている。HIPHOPの曲が流れる店内には、なんとUFOキャッチャーも。冷蔵庫のなかにテレビが配置されていたり、アイス売り場を活用してレコードを販売していたり、地元で長く続いてきたコンビニの歴史を引き継ぎながら、遊び心のある空間を作り上げている。
定期的にクリエイターの作品展示やDJイベントなども行われるそうなので、公式Instagramでチェックしてから訪れるのがおすすめだ。

 Day:1 (Spot 4) Dinner 

〈ワインと食事 ate〉で絶品イタリアンを堪能


さて、お腹が空いてきたので、そろそろディナーのお店へ。〈タックメイトセンガ〉から西方向へ進んだ先、煉瓦づくりの建物の2階に〈ワインと食事 ate〉がある。
2017年にオープンした〈ワインと食事 ate〉はイタリアワインと、ワインに合う料理を提供するお店。店名の「ate」は、お酒の“あて”から。店内は照明を落としたシックな雰囲気で居心地が良い。テーブル席とカウンター席があり、数人でもひとりでもゆったり過ごせる。

前菜やパスタ、ピザ、お肉料理などさまざまなメニューがあり、迷ってしまいそう。野菜を中心に地産地消を意識しており、オーナーの岩瀬さん自身が畑で育てた食材を使うときもあるとのこと。今回はほとんどの人がまず頼むという「前菜おまかせ盛り」と、気になっていた「ラザニア」を注文。どちらもボリューム満点で、食べ応え抜群。前菜は日によって内容が変わるそうで、本日はフリッタータや魚介を使った料理数種類を盛り合わせ。野菜がおいしくてぺろりと食べられる。もちもちの食感にたっぷりのチーズが絡むラザニアも絶品!
グラスワインが数種類用意されているので、料理に合わせてワインを変えながら楽しめるのも魅力だ。
地元の苺を使ったカプレーゼや、「岡崎おうはん」というブランド卵のカルボナーラなど、気になるメニューはまだまだたくさんある。まさに、何度でも通いたくなる名店だった。

 Day:1 (Spot 5) Bar 

1日の締めに乙川沿いのバーでカクテルを


少し夜風にあたりながら、町を散歩。最後は、岡崎のシンボルでもある乙川の近くにある〈Bar Nectar D'or(バー ネクタードール)〉へ向かう。乙川にかかる殿橋や明代橋は現在、ライトアップが実施されていて素敵な雰囲気に。夜景を眺めながら歩いていると、〈Bar Nectar D'or〉に着いた。
どこに座っても大きな窓から外が見えるようカーブを付けたこだわりのカウンター。
どこに座っても大きな窓から外が見えるようカーブを付けたこだわりのカウンター。
〈Bar Nectar D'or〉は、岡崎ニューグランドホテルのバーで経験を積んだ、バーテンダーの赤堀さんが開いたオーセンティックバー。自身が客としてバーに通うなかで得た人とのつながりや学びを伝えたいと、“入門編のバー”を目指してお店を始めた。実際にバーの利用者は、20代から30代の若者が多いそう。定期的に海外の蒸留所などへ直接買い付けに行くため、珍しいお酒が多いのも特徴。年間で80本以上はお酒が入れ替わるというから驚きだ。今回は食事のあとにおすすめのカクテル「アイリッシュコーヒー」をいただいた。
「アイリッシュコーヒー」はアイリッシュウイスキーをベースとしたホットカクテル。コーヒーのこうばしさが香ったあとに、ウイスキーの余韻が続いて、ほっとひと息つけるような味わいだ。ふわふわの生クリームも滑らかな口溶けでとてもおいしい。
大きな窓から外の景色を眺めていると自然と贅沢な気分に浸れた。春は乙川沿いに桜が咲いて、また景色が変わるらしい。四季を感じられるバーはいつ訪れても、きっと素敵な時間を過ごせるだろう。

1日目を終えて〈ANGLE〉へ戻ってきた。今日巡ったスポットはどこも素敵な場所で、充実した時間を過ごせた。明日もきっと良い1日になるに違いない。(後編へ続きます)
 

Text:Ayumi Otaki
Photo:Misa Nakagaki
 

いつもと違う愛知県観光には、東岡崎の〈マイクロホテルANGLE〉〈銀界拉麺〉〈籠田公園〉〈タックメイトセンガ〉〈ワインと食事 ate〉〈Bar Nectar D'or〉がおすすめ。


マイクロホテルANGLE


所在地愛知県岡崎市籠田町21 センガイドウビル
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約15分
電話番号054-256-1521
URLhttps://okazaki-angle.com/
Instagram@microhotel.angle
営業時間チェックイン:16:00〜20:00 ※それ以降は要相談
チェックアウト :〜10:00
休業日月曜、年始


 

銀界拉麺


所在地愛知県岡崎市連尺通3-7 2階
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約15分
電話番号054-256-1521
Instagram@ginkai_ramen
営業時間11:00〜14:00、 18:00〜21:00
休業日火曜、水曜


 

籠田公園


所在地愛知県岡崎市籠田町68
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約15分
URLhttps://www.kagodapark.com/


 

タックメイトセンガ


所在地愛知県岡崎市連尺通2丁目4-4
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約17分
電話番号0564-23-9678
Instagram@tac_mate
@dm710_cvs_media
営業時間7:00〜18:00
休業日無休


 

ワインと食事 ate


所在地愛知県岡崎市材木町1丁目23 コメルスビル2階
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約20分
電話番号0564-25-0717
Instagram@ate_wine
営業時間平日:18:00〜24:00
土日:17:00〜24:00
休業日火曜、水曜


 

Bar Nectar D'or(バー ネクタードール)


所在地愛知県岡崎市唐沢町1丁目19-2 スギテックビル1階
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約7分
電話番号0564-25-4001
Instagram@nectardor_ken
営業時間18:00〜2:00
休業日日曜


 
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