京都の桜を楽しむ秘訣
春の京都旅はいつだって憧れの的。古くからあるお寺や神社で見る桜は奥ゆかしくて、美しさが際立って感じられる。叶うならば静かにお花見を楽しみたいけれど、いまや京都は世界を代表する観光都市。あきらめ半分でいた私に、旅慣れた先輩がJR東海の「春の特別拝観」プランがおすすめだと教えてくれた。なんでも、通常とは違う時間に拝観できたり、非公開の場所に入れたり、混雑を避けてお花見を満喫できるらしい。今回は、アクセスのことも考えて京都駅から地下鉄を乗り継いで行ける醍醐寺の早朝貸切拝観を予約した。
これからの拝観に期待を膨らませながら、桜並木を抜けて受付の西大門(仁王門)を目指す。今回、早朝に拝観できたのは、国宝の金堂や五重塔がある伽藍エリア。ちょっと心配だったスマホでの受付も、スタッフさんに教えてもらってスムーズに完了。
京都でこんなに桜をゆっくりと楽しめたのは初めてかもしれない。
秀吉の栄華、ここに極まる
早朝拝観の受付で、伽藍エリア以外の共通拝観チケットを購入できると案内を受けた。拝観者が多いときは、チケットを購入するのにも並ばなければいけないらしい。朝から動いている私には、まだまだ時間はたっぷりある。三宝院エリアと霊宝館エリアも拝観することにした。
桜の華やかさとはまた違う、荘厳な美しさを感じられる。時間を忘れて眺めていたくなる庭だ。もうひとつ心を動かされたのが室内に咲く桜。平成に浜田泰介画伯によって描かれた襖絵で、月の光を受けて花びらが舞う姿に風情を感じる。桜を堪能したあとだからこそ、繊細な筆致にいっそう感じ入るものがあるのかもしれない。
花を愛でながら昼食を
また、国宝の薬師三尊像をはじめ、平安時代の作を中心とする仏像も見どころだ。
食べ終わって時計を見たら、まだ12時30分。午前中だけで、かなりの充実だ。桜を満喫できる朝観光にはまってしまいそう。ほかの特別拝観プランにも行ってみようと思う。
Text:Riko Hanahusa
Photo:Kazuaki Toda
いつもと違う京都府観光には、京都市伏見区の〈醍醐寺〉がおすすめ。
醍醐寺
所在地 | 京都府京都市伏見区醍醐東大路町22 |
アクセス | 地下鉄東西線 醍醐駅から徒歩約13分 |
電話番号 | 075-571-0002 |
URL | https://www.daigoji.or.jp/ |
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