新陳代謝と進化を続ける京都の「今」をセレクトしたショップへ。
JR京都駅からバスに揺られて約30分。平安神宮の大鳥居が悠然とそびえる東山エリアには高層ビルもなく、広々とした空、青々とした街路樹に心をすっと解される。ここに1933年から立つ「京都市京セラ美術館」が、今回のデスティネーション。昭和初期に流行した和洋折衷の建築様式「帝冠様式」を代表し、現存する公立美術館の中では最古の建物だという。
2020年には大規模な改修を経てリニューアル。元々の建物を一部切り込み、ガラスをはめることで新たな空間「ガラス・リボン」を作り出した。かつて大陳列室として使われていた場所には緩やかなカーブが特徴のらせん階段を新設し、開放的な中央ホールに。従来の建築の美しさをさらに際立たせるような建物に生まれ変わった。
その「ガラス・リボン」に収められているのが、ミュージアムショップ〈ART RECTANGLE KYOTO〉だ。メインエントランスからすぐの場所にあるお店は、窓から明るい光がたっぷり入る明るい空間だ。展覧会グッズはもちろん、セレクトされたアートブック、地元の食品や雑貨など、幅広いアイテムが揃っている。日常と芸術を近づけるキーアイテム。
「京都市京セラ美術館」は、この立派な佇まいの一方で親しみあふれる雰囲気も魅力。ショップも同じく、美術館や伝統工芸を気軽に楽しめるよう、テキスタイル雑貨や和小物、書籍などを展開している。
食卓を賑わせる、ピリリとスパイシーな京の食。
店内には京都の飲食店から届けられる調味料や食品もちょこちょこと置いてある。かわいいパッケージも相まって、お土産にうってつけ。
1983年から営むインド料理店「ガラムマサラ」では、現2代目店主がインドや日本での修業を経て、より本格的な料理を提供している。創業当時から人気のあるビーフカレーは、飾っておきたくなるようなデザイン。アラレ職人や八ツ橋店との共作のおやつは、バッグに忍ばせて旅の途中につまむのも良さそうだ。リピーターが多いというのが「プルストカフェ=風味制作所」(現在はカフェ営業を休止しマスタード制作にシフトチェンジ)が作る「P.マスタード」。名物メニューだった「大人のナポリタン」にトッピングした手作りの粒マスタードが好評となり商品化したものだ。プチプチと弾ける粒の食感よく、酸味が聞いたマスタードは辛さが控えめ。ベーコンやソーセージ、ポテトサラダはもちろん、納豆にも合うというから試さずにはいられない。
かわいいパッケージはお茶にも。京丹後市観光公社が作る「お茶レター」は、その名の通り切手を貼れば郵送できるというもの。京丹後市の人気スポットや食材がデザインされたハガキサイズの袋には、ティーバッグが2つ。コンパクトだから、ちょっとしたプレゼントにもいい。
グラフィックアイテムで残す、旅の思い出。
シンプルでありながら、デザイン性を感じられるオリジナルグッズは、生活に馴染む品が作られている。手作業で仕上げられたブリキの茶筒など、昔ながらの雑貨がモダンになっている。
現代に続く、歴史を軽やかに知る。
ここに来れば、頭でっかちにならずに京都の歴史に触れられそう。定番のお土産もいいけれど、一捻りしたものを探しに訪れてみて。
Text:Kahoko Nishimura
Photo:Natsumi Kakuto
いつもと違う京都府観光には、京都市左京区の〈ART RECTANGLE KYOTO〉がおすすめ。
ART RECTANGLE KYOTO
所在地 | 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124 京都市京セラ美術館内 |
アクセス | JR京都駅からバスで約30分 |
電話番号 | 075-757-6996 |
URL | https://museumshopkyoto.shop-pro.jp/ |
営業時間 | 10:30〜18:30 |
休業日 | 美術館に準ずる |
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