子育て世代も気軽に立ち寄れる“公民館”のような場所
「私ももともとは他県出身で、結婚を機に三島へ越してきました。当時は知り合いもいないし、見知らぬ土地での子育てにすごく寂しい想いをしていて…。そんなときにたまたま寄った小さなお店のスタッフさんに『いつでもおいでね』と声をかけてもらえて、とても感動したんです。あと、三島の方って赤ちゃんを連れて歩いていると、よく話しかけてくれる印象があります。優しい人が多いのでしょうね」
「子育ての話をちょっとしながら、おすすめの本を紹介するという、お客さんと店員さんの何気ないやり取りが素敵だなと思って。いつでも立ち寄れる、まるで公民館みたいな場所だなと感じたんです。三島にも子育て世代の人たちが頼れる場所があるとよいなと思ったことが、お店の立ち上げのきっかけになっています」根底にあったのは、「絵本を介して人と人がつながれる場所が作りたい」という思い。三島市の協力や、クラウドファンディングへの挑戦を経て、2018年に三嶋大社からほど近い現在の場所に店を構えた。今では子育て世代を中心に、若い女性や子育てがひと段落した世代まで幅広い人々が集まる憩いの場となっている。
絵本のパワーを多くの人に伝えたい
〈えほんやさん〉では、主に「親子でコミュニケーションがとれる本」を選定して取り扱っているそう。その選書理由は、えがしらさんのこれまでの子育て経験によるもの。
「娘が生まれ、子育てをするなかで、絵本が持つパワーを実感できたのが大きな理由です。読み聞かせをするとちゃんと反応してくれるし、こういう表現で笑うんだという気づきも得ることができる。絵本って子どもとのコミュニケーションを助けてくれるツールだと気づいたんです」
「コロナ禍は通販に力を入れるなどさまざま試みましたが、やっぱりお客さまひとり一人とよい時間を過ごすことが大事だなと気づきました。お店に来て『気持ちが明るくなった』『楽しかった』と言ってもらえると本当にうれしいです。これからも皆さんの心のよりどころになれるような場所を目指していきたいと思います」旅に思いを馳せながら、日々を楽しむりすとかえる。日常があるから、旅の非日常をおもしろく感じることができるし、帰る場所があるからこそ旅は楽しいのだ。〈えほんやさん〉も、きっと三島の人たちにとって「ただいま」と言って帰りたくなる場所になっているに違いない。
▼記事の中で紹介されている絵本作家・植田真(うえだまこと)さんによる「旅のプレイリスト」はこちらから
Text:Ayumi Otaki
Photo:Shinya Tsukioka
いつもと違う静岡県観光には、三島市の〈えほんやさん〉がおすすめ。
えほんやさん
所在地 | 静岡県三島市中央町4-10 |
アクセス | JR三島駅から徒歩約10分 |
電話番号 | 055-900-1052 |
URL | https://tenkiame.com/ehonyasan/ |
@ehonyasan.ega | |
営業時間 | 10:00〜17:30 |
休業日 | 木曜 |
※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。