前編に続き、千島土地(株)地域創生・社会貢献事業部の宇野さんに、北加賀屋を案内してもらっています。
大型美術作品の収蔵庫、MASKの興奮も冷めやらぬ中、続いて「Super Studio Kitakagaya(SSK)」を訪れました。
SSKは制作スタジオなので普段は開放していないが、定期的にオープンスタジオも実施している。
SSKは制作スタジオなので普段は開放していないが、定期的にオープンスタジオも実施している。
こちらは若いアーティストやクリエイター向けのシェアスタジオ。「例えば大学で美術を学んでいる期間は、制作スペースがあります。ただ卒業するとその場所が使えなくなるんですよね。」と宇野さん。
そこで元造船所の倉庫を、スタジオやレジデンススペース、そして展示空間もある複合施設として再生。

1階は天井が高いので(クレーンも動きます!)大型作品の制作に適してそうです。個室のスタジオもありました。各スペースでそれぞれのアーティストさんの個性が出ていて面白いのですが、みなさん作り手なので、作業場に必要な什器や床なども本人が作ってしまうこともあるそう。何気なく壁にあるホワイトボードの絵にまで感心してしまいます。中庭のような場所にある「スースーキッチン」は稼働するのはこれからだそうですが、フードアーティストの方たちが使えるようなスペース。立派なキッチン、屋台のように開く窓など、至れり尽くせりの設備で、今後どんなことが行われるのか楽しみです。
そしていよいよ、「クリエイティブセンター大阪(CCO)」へ。こちらが全ての発端である、名村造船所大阪工場跡地です。
建物の一部は改修されているそうですが、ドック(船渠)などはそのまま活用しています。その敷地は約4万平米!取材当日は晴天に恵まれたこともありますが、壮大なスペースがとにかく気持ちよい。(※こちらも普段は開放されておらず、取材許可を得て入っています)

ドックを眺めていたら、ここにラバー・ダックが浮かんでいたときの様子が頭に浮かんできました。赤い鉄骨の建物はライブとかできそうだな…とか、敷地内にもアート作品も置いてあるし、出店を並べてフェスとかできそうだな…などと妄想を口にこぼしていたら、すでにライブやフェス、さらには映画の撮影に使われることもあるそうです。とにかく、創造的なことならなんでもできそうなスペース…恐れ入ります。。
入り口を囲む防潮堤にはもちろんウォールアート。とにかく刺激をいっぱい受けて、またぶらりと千島ビルに戻ります。
長時間案内していただいた宇野さんにご挨拶をした後は(本当にお世話になりました!)、喫茶&レストラン「紫光」へ。このエリアには気になる純喫茶がいくつもあり、それを回る旅もいいなぁと思いながら、おいしいランチに舌鼓。カラフルなクリームソーダも平らげたら、さらに町をぶらり。十分に刺激を受けた頭の中は、想像力のアンテナが働きます。
あそこにもこちらにもアート。もちろん地図を見ながら回るのも楽しいのですが、偶然見つけるのもまた嬉しいですよね。

ウォールアートはもちろんですが、それだけでなく、町全体がまるでアートのテーマパークのようでした。北加賀屋では場所を持っている人、ものを作りたい人、それを見たい人、それに住んでいるや働いている人までが繋がっています。

宇野さんに今後の展望は?と聞いてみると、「まちづくりには終わりがないんです。住んでいる人のことを考えながら、時代のニーズに合わせて今何が必要なのか、そのときにどんな土地や建物を提供できるのか、それを考えます。そして最終的に北加賀屋というエリア全体の価値が上がっていくと嬉しいです。ゆっくりゆっくりですね。」

秋にはアートイベントが盛り沢山で、開放される施設も多くあるそうです。次回はぜひ秋に訪れたいと思います!

北加賀屋で遭遇できるアートたち(一部)



Text:tabigatari editorial department
Photo:Shinya Tsukioka



町全体から芸術的刺激を受けるには、大阪市の〈北加賀屋〉がおすすめ。

千島土地株式会社
一般財団法人 おおさか創造千島財団


所在地大阪府大阪市住之江区北加賀屋2丁目11番8号 千島ビル4階(Google Map
アクセス大阪メトロ四つ橋線・北加賀屋駅から直結
電話番号06-6681-7806(一般財団法人 おおさか創造千島財団 事務局)
URLhttps://chishima-foundation.com/ (一般財団法人 おおさか創造千島財団)
営業時間平日 午前9:30~17:30(一般財団法人 おおさか創造千島財団 事務局)

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