「あ、それは社長が集めたものですね。実は世界的にも有名な巨大なラバー・ダック(オランダのアーティスト、フロレンティン・ホフマン氏の作品で世界中の水辺に現れる)は、日本では北加賀屋がホームタウンなんですよ。」と宇野さん。
えーっ!始めから衝撃的なお話が。。これはウォールアートの町ってだけじゃなさそうです。そもそもなぜ北加賀屋が、アートとそんなに強い結びつきを持っているのでしょう?
1988年には、今や近代化産業遺産でもある「名村造船所大阪工場」が建物付きで返却されるが、ここは防潮堤の内側だからさらに使い道が難しい…。
「ある時、弊社の代表(芝川能一社長)が、京都で劇場のプロデューサーをしている小原啓渡さんと出会い、海外では工場とか造船所をアートイベントのスペースとして再利用しているということを聞いたんですね。その後30年間無償で「NAMURA ART MEETING(30年間の芸術実験プロジェクト)」に貸し出すことにしました。」
さらに、継続的に使えるアートスペースとしても使えるように改修。今や様々なアートイベントが開催されるアートの聖地となっている…とのことです。
なるほど…なぜ北加賀屋の町がアートに溢れているかがわかりました。様々なお話にいろんな想像は膨らむのですが、何はともあれ実際にこの目で見てみようと、今回は特別に宇野さんに北加賀屋を案内してもらいました!
「日本に来たら、絵を描きたい!とおっしゃる海外アーティストの方って多いんですよね。じゃあ、この壁どうぞ、って空き家などを提供するんです」
なんと自由…。ウォールアートも元の建造物を活かしたり、他の作品との繋がりが見えたりと、街全体が有機的な感じがするのは、その自由さから来るのかもしれません。
MEGA ART STORAGE KITAKAGYAの略で、その名の通り、大型美術作品の収蔵庫。年に1回、一般公開する「OPEN STORAGE」を開催しているそうですが、今回は特別に案内していただきました。
入ってみるととにかく圧巻…!元は鋼材加工工場・倉庫だったとのことですが、その雰囲気はそのままに、巨大なアート作品がずらーっと並んでいて異様な存在感を醸し出します。いわゆる美術館のような場所でないためか、作品からより剥き出しの個性を感じるような気がして、圧倒されます。
アーティストの作品を無償で預かる代わりに「OPEN STORAGE」のときには協力していただくとのことで、なんとも美しいマッチングですね。
さらに、近所にある加賀屋小学校の1年生には、特別授業として年に1回開放しているそうで、これまた素晴らしい地域への取り組みです。
…と、すでに北加賀屋を堪能している気分ではあるのですが、まだまだ紹介しきれていませんので後編に続きます!
Text:tabigatari editorial department
Photo:Shinya Tsukioka
町全体から芸術的刺激を受けるには、大阪市の〈北加賀屋〉がおすすめ。
千島土地株式会社
一般財団法人 おおさか創造千島財団
所在地 | 大阪府大阪市住之江区北加賀屋2丁目11番8号 千島ビル4階(Google Map) |
アクセス | 大阪メトロ四つ橋線・北加賀屋駅から直結 |
電話番号 | 06-6681-7806(一般財団法人 おおさか創造千島財団 事務局) |
URL | https://chishima-foundation.com/ (一般財団法人 おおさか創造千島財団) |
営業時間 | 平日 午前9:30~17:30(一般財団法人 おおさか創造千島財団 事務局) |
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