三重県の県庁所在地である津市は、伊勢平野のほぼ中心部にある。「津」とは船着場の意味で、古くから重要な港として位置付けられていた。一方で、大洞山や尼ヶ岳など1000m級の山々も近く、海にも山にも囲まれている。このことから、豊かな食文化が育まれてきた。名古屋からは特急電車で約50分、中部国際空港セントレアへは高速船に乗って約45分で到着。大都市との距離がほどよい。

現在の町の原型は、江戸時代にここを治めた津藩藤堂氏による城下町。この頃は伊勢参りの宿場町としても栄えた。異国の衣装を模した仮装行列や、朝鮮通信使の影響も受けたという「唐人(とうじん)おどり」は、現在も秋の津まつりで見ることができる。
 
近隣の町、松坂名産の松阪牛や、伊勢湾で採れる伊勢海老が有名で、天むす発祥の地とされる。近年も食文化は発展し続け、紀伊半島に棲む鹿をブランディングした「三重ジビエ」は、津市の三重県立美術館にあるレストランから生まれた。また、旧津市エリアは人口比で日本一鰻屋が多いとされている。
市街地は南北に伸びる沿岸部にあり、伊勢湾に注ぐ河川も張り巡らされている。伊賀市東部から津市西部にかけて広がる青山高原は、ハイキングやツーリングなどの観光客も集まる人気のネイチャースポット。さらには、農林水産省の外局である林野庁が認定した「森林セラピー基地」もあり、科学的根拠に基づいた予防医学的効果を目指す森林浴が体験できる。

地元クリエイター・やまぎわさゆりさんの津市イラストマップPDFはこちら(PDF:367KB)


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Text: Kahoko Nishimura
Photo: Natsumi Kakuto



 


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※記事中およびイラストマップの情報は2022年8月の情報です。掲載されている情報が現在とは異なる場合があります。