どて焼き、おでん、昼呑みという至福の組み合わせ


三島駅の南口を降りて目の前に広がる楽寿園を越えていくと、個人経営の小さなお店などが増えていきます。その三島市本町エリアに昼呑みのできるお店がありました。その名も〈どてやま〉。昼から夜まで通しで営業していて、店名の由来にもなっている「どて焼き」や、店主のご出身である静岡市の名物「静岡おでん」が季節を問わず食べられます。
「静岡市出身の身からすると、子供の頃から真夏のプール終わりにおでんを食べるのは日常的なこと。お店をオープンしたのは2023年の夏で、周りの人には『夏におでん?』って言われましたけど(笑)」と店主の三津山さん。
“沁み沁み”の静岡おでんはお母様のお味
“沁み沁み”の静岡おでんはお母様のお味
そんなお話を聞きながら、まずはビールで乾杯!明るいうちから飲むビールは最高ですね。となると、まずは静岡おでん!特徴である黒いお出汁に、魚のだし粉。いいですよねぇ。こちらは三津山さんのお母様が作られていた「家おでん」をお店用に改良したのだそうです。いやー、いいお味がしっかり沁みています。
 

大きな窓とカウンターで気持ちのよい“やりとり”


店内は、居酒屋というより素敵な洋食屋さんのような感じで、立派なカウンターも。こちらは元々喫茶店だったそうで、少しクラシックな雰囲気の設えが気に入って、そのまま使っているものも多いのだとか。「ただドアと窓にはこだわって、新しくしました」と三津山さん。「大きな窓ガラスにすることで、お店の様子が外から見えて『なんか楽しそうだな』と思ってもらえるのもいいし、中のお客さんが外を通る人に『楽しそうでしょ』って感じで(笑)通りを眺めるのもいいなぁと」
元々は箱根でイタリアンのシェフをしていたという三津山さん。一緒に働く奥様もイタリアンのお店や、ワインショップなどで働いていたそうで、とても気さくで話しやすい方です。一人のお客様はカウンター越しに、テーブル席の方は追加注文する時などに、奥様とお話をしたくてお店に来る常連さんも多いとか。その気持ち、すごくよく分かります。
店主の三津山さん
店主の三津山さん
メニューはとにかくお酒に合うものが豊富。人気だという「低温レバー」はギリギリの火入れをゆっくり行っているといい、かつては食べられたレバ刺しを思い出すような味。ボイルしたホルモンをもみじおろしとポン酢でいただく「ホルモンポン酢」はシンプルなだけにホルモンそのものの味が強く感じられて、これまたお酒がスイスイと進んでいきます…。ここらで看板メニューの「どて焼き」をいただきます。よーく染み込んだ出汁の味と味噌がほどよいパンチでくせになりますね。「どて焼き」は山梨の居酒屋で出会ったものがとても美味しくて、リスペクトしながら“どてやま流”に仕上げたそうです。これはあっという間に一杯飲み切ってしまいます!そろそろ次のお酒を…。
お供のゆでたまごも最高な「どて焼き」
お供のゆでたまごも最高な「どて焼き」

懐かしい味を新しい飲み方で


メニューを見ると、静岡の地酒やワインのラインナップも豊富。ハイボールもいいですよねぇと悩んでいると、最近お店で人気なのは「ハイリキ プレーン」のモヒートセットだといいます。「ハイリキ」はかつて80年代に爆発的に流行した“チューハイ”ですが、最近また人気があるそうで、一般的なのは「ハイリキ レモン」。三津山さんのおすすめは、くせのない「ハイリキ プレーン」にミントとライムを入れてモヒート風にしたもので、東京・赤羽の有名居酒屋でもお馴染みな飲み方。
 
ハイリキ プレーンをモヒートセットで
ハイリキ プレーンをモヒートセットで
いやー、これは美味しい!ほのかにな甘く、そしてさっぱりしていてとても飲みやすい…。どんなつまみにも合いそうです。三津山さんも仕事終わりにこれを呑むのが楽しみなんだそうです…!「昼呑みって楽しいじゃないですか」と三津山さんは言います。「なんだか夜よりアルコールの回り具合も敏感に感じて呑んでいるなぁっていう気がするし、背徳感というか、罪悪感というか、優越感というか(笑)。それも含めていいですよね」
いやー、とても心強いご意見です。ほんと、最高ですよね。
カウンターにはいつもの常連さん。テーブル席ではご婦人たちの女子会も。お一人で来て、じっくり向き合って食べてらっしゃる方もいます。
「都会でもない、かといって田舎過ぎない。とても“ほどよい”ですよね、三島って。三嶋大社があって、そこから何となく歴史のあるような雰囲気が漂ってくるんで、小道なんかを歩いてもすごい和みますし。そして小さい川も流れている。やっぱり水と緑がある風景っていうのは心に染みるというか、それがすごくいいと思いますね」
今後は新しいメニューも増やしていきたいという三津山さん。とても楽しみにしています!



Text & Photo:tabigatari editorial department




いつもと違う静岡県観光には、三島市の〈どてやま〉がおすすめ。

どてやま


所在地静岡県三島市本町1-27山口ビル1F東(Google Map
アクセス三島駅南口から徒歩約10分
電話番号055-960-7164
Instagram@dote_yama
営業時間12:00~22:00(水曜は16:00〜)
休業日月曜・火曜(祝日は変動あり)

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。