川のほとりの純喫茶


水の都とも呼ばれる三島。富士山の伏流水がいたるところで湧き出ていて、歩いていると水の綺麗な川々に出会います。三島広小路駅から蓮沼川に沿った道のすぐ近くに「ティーサロン ボナール」があります。そのレトロな雰囲気に誘われてドアを開きました。
お店に入ると、懐かしい雰囲気が漂うとても素敵な内装です。ころんとしたソファやカウンターの椅子たち。全体はブラウンカラーでまとめられていてますが、クリームがかった若草色がよい感じでポイントとなっていて、古きよき喫茶店スタイルという感じです。
カウンターすぐ近くのテーブル席では常連さんらしきお客さん達が、店主のママさんと談笑しています。なんだか「ただいま」と言いたくなる雰囲気ですね。

穏やかな空間で楽しむ、優しい味わい


開店は1981年ということで、もう40年以上も続いている老舗です。
この雰囲気に合うのは…とメニューを見るとミルクセーキが!最近なかなか見ないですよね。注文するとママさんがカウンターの中でシェイカーを振ってくれました。現れたのは、優しい黄色にさくらんぼの鮮やかなピンクの組み合わせ。お店と完全にマッチする色合いです。飲んでみると味も優しくて、なんだか懐かしい甘さが体に沁み渡りました。
そしてさらに嬉しいのが、喫茶店ならではの食べ物メニューたち。おすすめを聞くとナポリタンということで早速注文しました。ナポリタンといえば喫茶店の王道メニューですが、こちらは鉄板ナポリタン。ふわふわトロトロの卵の中にパスタ、いやスパゲティが入っていて、絡ませながら食べていくと、こちらも優しい味わいに。鉄板なので冷めにくく、フーフーしながらもペロリと食べてしまいました!
ふと棚や冷蔵ケースを見ると、ビールやウイスキーなどのお酒も並んでいます。以前は夜も通常営業していたそうですが、今は予約営業(貸切)のみだそうで、たまに若い団体さんなどがいらっしゃるそうです。気の置けない仲間達とこの雰囲気の中、夜を過ごすのもよさそうですね。
 

「ちょっと一息」がゆっくり流れる


実はこのお店は、元々は違う喫茶店として営業されていたそうで、ママさんが会社勤めをしていた時に、コーヒー好きの旦那さんと一緒にお客さんとして通っていたそうです。ある時お店を閉めると聞いて、それはもったいないと思い切って始めてみることに。そこから40年以上、お店に立ち続けているとのこと。
何年か前に、このお店が開店するときの工事をしてくれた大工さんがたまたま通りかかって、「まだやっているんだ!」と寄ってくれたそうです。今ではもうなかなか作ることのない八角形の窓や、外観のタイルの柄などが印象的だったそうで、当時を懐かしく話してくれたと言います。

食後のコーヒーを飲みながら、ママさんのそんな話を聞いていると、時間がゆったりと流れます。ついつい長居してしまいました!また「ただいま」と言いに来ますね。



Text & Photo:tabigatari editorial department




いつもと違う静岡県観光には、三島市本町の〈ティーサロン ボナール〉がおすすめ。

ティーサロン ボナール


所在地静岡県三島市広小路町1-30(Google Map
アクセス伊豆箱根鉄道三島広小路駅から徒歩約2分
電話番号055-972-3677
URLhttps://teasalonbonheur.wixsite.com/bonheur
営業時間10:00〜18:00 
休業日日曜

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。