“徳川家康の生誕の地”という意味をもつ、愛知県東岡崎の康生エリア。古くから商業地として栄えてきたこのエリアは、近年新しいスポットが増えて、新旧入り混じった独特の雰囲気を醸し出している。今回は東岡崎のマイクロホテル〈ANGLE〉に宿泊し、周辺の魅力を教えてもらいながら町で暮らすように旅をしてみた。東岡崎の日常にはどんなおもしろいことが待っているんだろう。東岡崎を巡る2日間の旅。まずは木のぬくもりが感じられるマイクロホテル〈ANGLE〉で、清々しい朝を迎えた。出かける前に、〈ANGLE〉オリジナルのハーブブレンドティーをいただく。岡崎市で200年続くお茶の産地問屋〈宮ザキ園〉とコラボして作られたブレンドティーで、実際に購入も可能。シンプルで居心地の良い部屋で、こだわりの一杯を楽しんでいると、今日もとても良い日になる気がした。さあ、さっそく出かけよう。


 Day:2 (Spot 1) Morning 

〈一隆堂喫茶室〉でゆったりモーニングを


最初に立ち寄ったのはホテルから程近くにある〈一隆堂喫茶室〉。
〈一隆堂喫茶室〉は、1955年創業の老舗せんべい屋「一隆堂」が手がける喫茶店。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の開催に合わせ、休憩スペースとしてコーヒーやかき氷を提供したのが始まりだという。
喫茶室では自慢のコーヒーや紅茶、軽食、スイーツなどを楽しむことができる。コーヒーは一隆堂のせんべいに合うすっきりとした味わいの豆を、福岡・久留米の焙煎所コーヒーカウンティから仕入れる。最近ではスイーツにもこだわり、地元・太田商店から仕入れた卵を使う手づくりカスタードプリンが特におすすめとのこと。今回はモーニングとして、コーヒーと一緒に「クリームチーズとグラノーラのトースト」を注文してみた。トーストは丁寧に塗り重ねたクリームチーズに、グラノーラがたっぷりのっていて、食欲をそそる見た目。クリームチーズの爽やかな酸味と、グラノーラのザクザク食感が絶妙で、あっという間に完食してしまった。コーヒーは口に残らないまろやかな味わいで、とても飲みやすい。


 Day:2 (Spot 2) 

〈一隆堂読書室〉で時間を忘れて本と向き合う

読書室では定期的に書道教室や絵画教室などのイベントも開催。
読書室では定期的に書道教室や絵画教室などのイベントも開催。
同じビルの4階には、サブカル系の漫画やアートの本などを自由に読める〈一隆堂読書室〉がある。読書室は、一階の喫茶室でドリンクなどを注文すると利用可能に。テイクアウト用のカップで注文すれば、ドリンクを持って入室することもできる。読書室に入ると棚にずらりと並んだ本に圧倒された。全部で1,500冊ほどあり、いずれもマスターの鶴田さんとオーナーの畑添さんの蔵書だそうだ。初めて見る本が多く、新しい出会いにワクワクする。たくさんの本に囲まれて、有意義な時間を過ごせた。

 Day:2 (Spot 3) Lunch 

キラキラと輝く異世界が広がる〈喫茶レストラン 丘〉


お昼ごはんは〈喫茶レストラン 丘〉へ。〈一隆堂喫茶室〉から中央緑道と呼ばれる散歩道を通って約10分ほどの位置にある。中央緑道は徳川家康を支えた徳川四天王の像が立つ、さりげなく歴史を感じられるスポット。木を基調としたテラスのほか、テーブルやイスがあり、ちょっとした休憩スペースとしても活用できる。
〈喫茶レストラン 丘〉は、この中央緑道の通りにある。思わず立ち止まってしまいそうなパンチの利いたユニークな外観が目印だ。
中に入るとさらなる驚きが待っていた。壁や天井にカラフルな装飾が施されていて、迫力満点。よく見ると、ところどころに店名である「丘」のロゴマークのステッカーが貼られている。


マスターの藤原さんによると、このカラフルな内装は「あいちトリエンナーレ」の映像で店内の装飾を行うお店を見たことがきっかけだという。内装は手作業で行われていて、「丘」のロゴステッカーもすべて手づくり。もともと黒一色だったステッカーを、お客さんの要望でカラフルな用紙に変えたところ学生を中心に流行したのだとか。

徐々に店内の壁やイスに貼るお客さんが増え始め、まるでアートのような唯一無二の内装に。意図的ではなく、偶然によって生み出されたというのもまたおもしろい。ランチに頼んだのは、看板メニューのエッグカレーセット。フォンドボーのうまみが際立つカレーに目玉焼きがのった古き良き喫茶店らしいカレーで、なんとも味わい深い。クリームソーダがついてくるので、レトロ喫茶メニューを楽しみたい方にもおすすめ。
エッグカレーセット(クリームソーダ付き)1250円
エッグカレーセット(クリームソーダ付き)1250円
北海道から沖縄まで多くの人に愛される〈喫茶レストラン 丘〉。訪れると、自然と元気がもらえる喫茶店だった。

 Day:2 (Spot 4) 

〈乙川〉を散策しながら帰路へ


旅の最後は乙川まで足を伸ばし、気持ちの良い川沿いを散策してみることに。昨夜見たライトアップとまた違い、自然の豊かさを間近に感じられて癒される。散歩やウォーキングを楽しむ人もちらほら。
遊歩道にはスイセンなどの花々が咲いていて、その可憐な美しさに心が和んだ。川には野鳥や鯉の姿も。町中にありながら、自然をいっぱいに感じることができるスポットだ。そのまま東岡崎駅へ続く桜城橋(さくらのしろばし)へ。桜城橋は2020年にできたばかりの橋で、表面には岡崎市額田地区産のヒノキが使われている。木のぬくもりあふれる桜城橋から穏やかな川を眺めていると、ゆったりとした時の流れを感じることができ、心が満たされた気がした。

東岡崎の素敵な旅を終えて、充実した思いで帰路につく。かつて岡崎城の城下町があった東岡崎の康生エリアは、驚くほど今でも魅力たっぷり。町を深く知るマイクロホテル〈ANGLE〉でおすすめスポットを聞いて散策したら、もう一段深い町の魅力に気づくことができた。個性的なお店がぎゅっと詰まったエリアだからこそ、たった2日間でこんなに充実した時間が過ごせたのだろう。
ヴィ―ガンの料理教室と喫茶を営むお店や、江戸時代から300年変わらない製法で作り続けるろうそく店など、訪れたいお店はまだたくさんある。東岡崎は知れば知るほど、好きが増していくそんな素敵な町だった。


Text:Ayumi Otaki
Photo:Misa Nakagaki
 

いつもと違う愛知県観光には、東岡崎の〈一隆堂喫茶室〉〈喫茶レストラン 丘〉〈乙川〉〈桜城橋〉がおすすめ。


一隆堂喫茶室/読書室


所在地愛知県岡崎市連尺通3丁目18 一隆堂ビル 1階/4階
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約16分
電話番号0564-83-6099
URLhttps://www.yahaghisenbei.com/
Instagram@ichiryudo
営業時間9:00〜18:00
休業日水曜、毎月最終木曜


 

喫茶レストラン 丘


所在地愛知県岡崎市唐沢町1-29
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約8分
電話番号0564-23-3937
営業時間7:30〜18:00
休業日日曜、水曜


 

乙川河川緑地/桜城橋


所在地愛知県岡崎市唐沢町1丁目
アクセス名鉄「東岡崎駅」より徒歩で約6分
URLhttps://otogawariverlife.com/


 
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