風景と音楽との出会い。
季節が変わるとふと遠くへ旅に出たくなる。ある時は海鮮の美味しい海の街であったり、ある時は湯けむりが漂う山あいの温泉街であったり。そんなときに必ずつくるのが旅のプレイリスト。列車に乗ってワイヤレス・イヤフォンで音楽を聴いて窓の外を眺めていると、ときどき風景と音楽がぴったりと重なるときがある。キラキラと反射するまばゆい海原に重なる南米の音楽、風を切るように鉄橋を駆け抜ける小気味よいリムショットのリズム、雨の日に窓をつたう雨粒を目で追うような男女のコーラス。雨上がりの夕焼けの風景ににじむスウィートな女声ヴォーカル、黄昏の山の稜線をなぞるような切ない男声ヴォーカル。
少しずつ暖かくなると、心なしか音楽も軽やかにアコースティックに変わる。今回は、日ごろ選曲などでよく聴いている楽曲を集めたふらり“ひとり旅“の音楽。つぎは風景と音楽とのどんな出会いがあるだろうか。
1. Rainbow Love | João Selva, Gabi Hartmann |
2. Voyage | anaiis, Grupo Cosmo, Sessa |
3. Vågen igen | Mona Moroni |
4. Siempre Sale El Sol | Luisa y el Mar |
5. Viajar a vos | Alba Armengou, Tramel Levalle, Vicente López |
6. Blue Feathers | Jonathan Ogden |
7. Bloom | Natty Reeves, Jackson Mathod |
8. Exit Left | Gothic Tropic |
9. Patience Comes to the Bones | Kristin Daelyn |
10. Ariadne’s Thread | Freedom Candlemaker |
Text:Hiroshi Yoshimoto
Cover art:Yoshiyuki Okada
吉本宏(よしもとひろし)
選曲家/音楽文筆家。
SUBURBIA〜Café Après-midiプロダクツでの執筆やusenでの選曲、ホテルなどの店内音楽監修、雑誌への寄稿やCDのライナーノーツなどを手がける選曲&音楽文筆家。bar buenos airesやresonance musicなどのレーベルを友人とともに主宰し、コンピレーションCDのリリースなどを手掛ける。
Instagram:@monsieur_espresso