0%の状態で旅をするときは出来るだけ無心になりたい。

あまり器用ではない自分は、0%か100%の極端な状態になってしまう。最初はそれがコンプレックスで、上手いこと自分をコントロールして50%の状態になろうと思ったこともあった。

だがそれをやってみると、その場をこなそうとしている自分になっている気がして気持ちが悪くなった。今の自分の未熟さでは変なバランスで自分を抑え込んだり主張したりし、その上安牌な立ち振る舞いをしようとしてしまい、自分が自分でなくなってしまう感覚になって何がしたいのかがわからなくなってしまったのだ。

もっと器用にやればそんなことにはならないかもしれないが、今の自分の経験値ではできない。そう思ってからは0%の自分も100%の自分も受け入れて、その状態で自分にとって最適な行動をすることに決めた。


今回は0%の状態にフォーカスする。
0%の状態での最適な行動の一つが、一人で旅に行くことだ。

この状態は、東京の忙しさや歩くスピードの早さに疲れてしまった時になることが多い。そんな時は一人で遠出をし、自然が多い場所や町の人々の歩くスピードがゆっくりな場所に行くことで0%の状態の自分に刺激を極力与えないようにし、優しく寄り添うようにしたい。出来るだけ無心になり、その空間やその瞬間で見えることや感じることを自然体で吸収できるようにしている。

このプレイリストにはその行き帰りの道中で自分が無心になるために必要な、無心になろうとする自分を優しく包み込んでくれる音楽たちが詰まっている。

音楽を聴くと、その瞬間の自分の状態をより受け入れることができる。

0%の状態の自分も100%の状態の自分も、これから成長していくにつれてまた新しく生まれてくるであろう様々な状態の自分をこれからも受け入れ続け、そして生きていくためには音楽は必要不可欠だ。
 


1. 日ノ出ノ夢鬼の右腕
2. 山を下りるTAMTAM
3. Mountain Songermhoi
4. 体がしびれる 頭がよろこぶ (冥丁Remix)る鹿, 冥丁
5. Wait at the waterBlack Boboi
6. いぶき児玉奈央
7. so far角銅真実
8. Chérie ChérieBibi Club
9. SH#1naomi paris tokyo
10. tokyo (feat. 鈴木真海子, Skaai)yonawo, Skaai, 鈴木真海子
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Text:Kazuki Kuwahara
Cover art:Yoshiyuki Okada


Photo by tatsuki nakata
Photo by tatsuki nakata

桑原和紀(くわはらかずき)

1996年生まれ。バーテンダー、バリスタ、DJ。
都内を中心にバリスタ、バーテンダーとして活動しながらDJも行う。
飲食でも音楽でも、その空間が多幸感に包まれるような表現を志す。
Instagram:@kazkikuwahara