琵琶湖一周は約200㎞。ロングライドに備え、本格的なスポーツバイクを駅ナカでレンタル。


関東からの滋賀県への入り口、米原市は、古くから街道の分岐点として発展してきた。琵琶湖と伊吹山に抱かれる自然豊かな地でありながら、アクセスも良い。JR米原駅の改札を出て、東口へ向かうと、駅構内にスポーツバイクが現れる。〈びわこ一周レンタサイクル〉だ。琵琶湖一周サイクリング-ビワイチ-に必要なクロスバイクや本格的なロードバイクが、万全の整備状態でレンタルできる。琵琶湖一周は約200㎞。琵琶湖大橋以北の北湖一周なら150kmほどある。1泊2日で食や名所を楽しみながら一周するのがおすすめだという。
「気楽にチャレンジしてほしい」と、〈びわこ一周レンタサイクル〉の安達さんが話してくれた。ビワイチのルートはほぼフラットで走りやすく、ビギナーでも大勢が達成しているそう。
「”琵琶湖ってこんなきれいだったんだ”って言われるんです。日本一大きい湖という情報でしか知らないと思うので、湖沿いに走って、触れてもらいたいですね。」
びわこ一周レンタサイクルのマネージャー安達さん。ビワイチは3周くらいしているそう。
びわこ一周レンタサイクルのマネージャー安達さん。ビワイチは3周くらいしているそう。
レンタル時には、駅前で実際に乗り方もレクチャーしてくれる。スタッフの方はみんな経験者。不安な点は相談すれば、的確なアドバイスをしてくれるので安心して出発できる。

ブルーラインで整備された、分かりやすいビワイチコース。


ビワイチのほとんどのコースには、ブルーラインが引かれている。このラインに沿って一周できるので、地図やナビにあまり気をとられず、風景を満喫できる。
おすすめのスポットを安達さんに伺ったところ、特に奥琵琶湖の風景は絶景だという。ビワイチ挑戦者の多くがそう話すそうだ。感性を研ぎ澄まして丁寧に感じる風景は、言葉では尽くせないだろう。
透き通った湖が美しい奥琵琶湖
透き通った湖が美しい奥琵琶湖
カメラマンも集う湖北水鳥公園も通る
カメラマンも集う湖北水鳥公園も通る
琵琶湖沿いだけではなく、少し足を延ばし、名所や食事へ向かっても良い。様々なオプションコースがあるので、寄り道をしながらビワイチを走破するのも楽しみ方の一つだ。
木漏れ日が気持ち良いメタセコイア並木
木漏れ日が気持ち良いメタセコイア並木
南湖まで回る〈フルビワイチ〉の場合は、2泊3日あると余裕をもって楽しめる。〈滋賀県サイクリストにやさしい宿〉というサイクリスト向けサービスが充実した宿泊施設も数多く存在する。
〈琵琶湖八景の瀬田の夕照〉として知られる瀬田唐橋
〈琵琶湖八景の瀬田の夕照〉として知られる瀬田唐橋

自転車でしか味わえない、移り変わる景色と爽快感。気軽に楽しめるコースも。


琵琶湖を一周しなくても、体力や日程に応じて自由にサイクリングしてもよい。1日レンタルなら、奥琵琶湖までの往復や、伊吹山方面、彦根観光など、様々な選択肢があると安達さんが教えてくれた。今回は、南へ足をのばし、近江八幡方面へサイクルトレインで向かい、びわ湖沿いを米原までサイクリングすることにした。
近江鉄道の一部の区間では、自転車をそのまま載せることができる。自転車持込み可能な区間と時間は限られるので注意したい。
近江鉄道の一部の区間では、自転車をそのまま載せることができる。自転車持込み可能な区間と時間は限られるので注意したい。
五箇荘駅で電車を降り、近江商人の古い街並みを通り抜ける。山と畑が広がる風景を近江八幡市に向け進んでいく。途中、自転車道〈びわ湖よし笛ロード〉に入り、西の湖のほとりを進んだ。様々に変わる風景に飽きない。
近江八幡、安土、能登川エリアをつなぐ自転車道〈びわ湖よし笛ロード〉
近江八幡、安土、能登川エリアをつなぐ自転車道〈びわ湖よし笛ロード〉
小回りが効く自転車ならではの寄り道や、景色の変化を楽しみながら、八幡堀に到着した。時代劇のロケ地としても知られる風情ある場所だ。散策していると、ご夫婦に声をかけられた。「私もmacchi cyclesの自転車に乗っていて」と、自転車を嬉しそうに眺められている。安達さんがおすすめしてくれた、macchi cyclesとびわこ一周レンタサイクルのオリジナルバイク。macchi cyclesは、滋賀のフレームビルダーだそう。
今回レンタルしたmacchi cycles×びわこ一周レンタサイクルのオリジナルバイク
今回レンタルしたmacchi cycles×びわこ一周レンタサイクルのオリジナルバイク
思わぬふれあいにうれしくなりながら、琵琶湖岸へ移動を始める。
水郷巡りの景観を通り抜けると、ブルーラインを発見、ビワイチのコースに沿って進む。近江牛牛舎、畑、ビニールハウス。少しずつ変わる景色や暮らしを感じ、走る。その土地の空気が丁寧に感じ取れる気がした。
のどかな田園風景が続く
のどかな田園風景が続く
田園風景を抜け、琵琶湖が開けて見えた瞬間、気持ちがふっと動く。静かに波打つ琵琶湖に、太陽が反射してきらめいている。疲れた体に、開放感と爽快感が染みわたっていくよう。
湖岸のすぐそばを走る道では琵琶湖を堪能し、並木を挟んで走る道では木陰の涼しさにほっとする。琵琶湖には湖岸緑地が点在しているので休憩に使うのも良い。緑地ごとに、東屋があったり遊具があったり遊歩道があったり、それぞれ違った琵琶湖の景色が楽しめる。

琵琶湖の様々な表情に気づく、自転車ならではの体験。整備されたルートがビギナーにも嬉しい。


暮らしに身近な自転車だが、一歩進んでスポーツバイクで長距離を走ってみると、新たな気づきがたくさんある。日本全国をみても、自転車が走りやすい道はまだまだ少ない。そんな中、琵琶湖周辺は本当にサイクリストにやさしく整備されている。五感が刺激され、いつもとは違った感覚を楽しめるサイクリング。走りやすい環境で、美しい風景を存分に楽しみたい。


Text:Mari Taira
Photo:Mari Taira / Kazuhiro Kobayashi



いつもと違う滋賀県観光には、米原の〈びわこ一周レンタサイクル〉がおすすめ。
 

びわこ一周レンタサイクル


所在地〒521-0012 滋賀県米原市米原475 JR米原駅構内東口1F(近江鉄道乗り場前)
アクセスJR米原駅直結
電話番号090-3863-8453
URLhttps://biwaichi-cycling.com/
営業時間9:00~17:00
休業日不定休・冬季休業(12月中旬~2月中旬)

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。