公園の中に佇む、建築好き必見のミュージアム。


賑やかな渋谷から電車に揺られ、15分。用賀駅からまた15分ほど歩いていくと、都立砧公園にたどり着く。先ほどまでの喧騒とは打って変わり、閑静な世田谷エリアの雰囲気を存分に味わえる場所だ。慌ただしい東京旅の合間にこうした時間があると、充実した行程になりそう。

わざわざここまで来たのは、世田谷美術館を訪れるため。建物は昭和後期から平成にかけて活躍した建築家、内井昭蔵の代表作だ。周りの自然と溶け込むよう低層で仕上げているものの、すっきりとした直線や曲線が印象的なデザインで、建築好きが一度は訪れたい美術館とも言われている。

棟が連なるように設計された美術館の一角にあるミュージアムショップが、今回の目的地。ここでしか手に入らないお土産を見つけよう。

 

ルソーモチーフがかわいいグッズから目が離せない。


アンリ・ルソーをはじめとした“素朴派”の作品を多く収蔵する世田谷美術館。なかでもアイコニックな《フリュマンス・ビッシュの肖像》は、ミュージアムショップで販売するさまざまなグッズに展開されている。元々素朴なタッチの絵画がさらにかわいらしく見えてくる。

ロングセラーなのが、台東区根岸の「金太郎飴本店」とコラボレーションしたキャンディ。“どこを切っても同じ模様”ではあるが、一つ一つ微妙に異なる表情を見比べるのも楽しい。味は昔懐かしい、ソーダ味。

スケッチブックやトートバッグにあしらわれた絵は、程よい存在感でおしゃれ。大人でも持ちやすいデザインがうれしい。スケッチブックは旅の思い出を書き残すノートに、トートバッグはお土産を入れる袋としても活躍しそう。美術館の人気コンテンツ「100円ワークショップ」から生まれた、「動くルソー人形」。コロナ禍にワークショップが開催できなくなり、自宅で楽しめるようにと作られたのが「おうちでワークショップ」のキットだ。作業は厚紙を切り取り、付属のスナップボタンで留めるだけ。関節が動くので、いろんなポーズをとらせて遊べる。
「動く!ルソー人形」100円。「100円ワークショップ」は、美術館の展示や季節に合わせて内容を変えて行われている。
「動く!ルソー人形」100円。「100円ワークショップ」は、美術館の展示や季節に合わせて内容を変えて行われている。

ぬくもりを感じるオリジナルグッズ。


ワークショップではこれまで缶バッヂやマグネット作りも開催してきた。その経験を活かしてコロナ禍以降は、ボランティアスタッフが美術館応援として作るオリジナルグッズも販売されている。版画家・稲垣知雄の作品を扱ったマグネットは、玄関や冷蔵庫に、小さな絵画を飾った感覚に。
稲垣知雄 猫マグネット各300円。
稲垣知雄 猫マグネット各300円。
旅先でつい買ってしまう、便利な手ぬぐい。ここでは、世田谷美術館に多く収蔵される北大路魯山人の作品をモチーフにしたオリジナル商品が販売されている。魯山人の絵や文字が大胆に施され、どこかモダンな印象だ。手ぬぐいの脇には、葛餅を発見。こちらは葛餅の名産地、奈良県吉野で作られる「よしのや葛餅」だ。過去の展示をきっかけに繋がりができ、今でもショップで取り扱っている。掛け紙には女将が手描きした絵が印刷されている。季節ごとに描かれたものだという。
ぷるぷるとした食感の葛餅は、常温で日持ちがするのもありがたい。1,300円。
ぷるぷるとした食感の葛餅は、常温で日持ちがするのもありがたい。1,300円。

柚木沙弥郎の生涯に想いを馳せる。

柚木沙弥郎マスキングテープ《町の人々》(上)、《柳葉》(下)各800円。
柚木沙弥郎マスキングテープ《町の人々》(上)、《柳葉》(下)各800円。
染色家、柚木沙弥郎の作品も世田谷美術館に収蔵されている。《町の人々》は絵本『トコとグーグーとキキ』の一場面に関連した作品。布切れなどを使って制作した指人形で、ここには13点も収蔵されているという。「2023年秋に開催していた、『土方久功と柚木沙弥郎―熱き体験と創作の愉しみ』をきっかけに、当館に柚木作品が収蔵されていることを知り、グッズを見にくるかたも増えたようです」とショップ担当者も話す。
柚木は2024年1月に101歳でその生涯を閉じた。晩年も精力的に活動を続け、平面、立体、絵本など数多くの作品を残している。ショップで手に入るポストカードをコレクションして、多様な作品に触れてみるのもいいかもしれない。

 

アートや作家がもっと好きになる、ミュージアムショップ。

店内の大半のスペースは、会期中の展示に合わせたアイテムが並ぶ。今回紹介したものは定番品。
店内の大半のスペースは、会期中の展示に合わせたアイテムが並ぶ。今回紹介したものは定番品。
手の届かないアート作品が身近なアイテムに落とし込まれると、新たな魅力が見えてくる。さらに作家に興味が湧いたり、日常が彩り豊かになったり。ボランティアやショップのスタッフにより、想いを込めて作られたグッズだからこそ、そう感じられるのかもしれない。

※記事内で紹介している商品はすべて税込価格です


Text:Kahoko Nishimura
Photo:Natsumi Kakuto



いつもと違う東京都観光には、世田谷区の〈世田谷美術館 ミュージアムショップ〉がおすすめ。

世田谷美術館 ミュージアムショップ


所在地東京都世田谷区砧公園1-2
アクセス東急田園都市線 用賀駅から徒歩約17分
電話番号03-3415-6011
URLhttps://www.setagayaartmuseum.or.jp/shop/
営業時間10:00〜18:00
休業日美術館に準ずる

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。
※在庫に限りがある商品は品切れの場合もあります。