ゆっくりと滞在したい美術館にある、特別な場所。

東京都、世田谷区の中でも一際広々とした都立砧公園。緑が繁茂する中、近隣の子どもたちが遊んでいたり、ランニングに励む人がいたりと、ゆったりとしつつ賑わいがある。遠くから訪れる人は、隣接する世田谷美術館が目当ての人が多いかもしれない。公園から続くように広がる庭には彫刻作品が展示され、さらに横に目をやると、フレンチレストラン「LE JARDIN」が見えてくる。
ガーデンレストランのような明るい雰囲気の「LE JARDIN」は、ウェディングパーティーの会場としても大人気。「ミュージアムレストランとしては珍しく、しっかりと時間をかけて召し上がっていただくフレンチをご用意しています。そのためコースが中心ですが、軽食やデザートで休憩される方も多いですよ」と店主。今日はせっかくだから、ランチコースをいただこう。

 

一皿にたくさんの驚きを詰め込む、彩り豊かなランチ。


旬の食材を主軸に料理を考案するシェフは多いが、その中でもこちらは、たくさんの珍しい食材を使うようにしているそう。春を待ち侘びるこの日は、優しい色合いのオードブルからスタート。鶏肉のテリーヌ、白身魚のテリーヌ、魚介のマリネなどが盛られた前菜のプレートを彩るのは、ビネグレーズソースやフランボワーズソースだ。素材をキュッと引き締める甘酸っぱい味わいに、食欲を刺激される。メインに登場したのは、鶏もも肉のオリーブ煮。コロンと丸いオリーブの実に加え、ペコロスや芽キャベツ、ロマネスコなどを添え、リズミカルで愛らしいビジュアルだ。店主が「シェフは色とりどりの盛り付けにもこだわりがあります」と話すのも納得。ポップな色使いが、ナチュラルなトーンの店内に映える。
鶏肉は柔らかく煮えている。前菜、メインなど、コースの内容は季節やその日の食材によって変更。
鶏肉は柔らかく煮えている。前菜、メインなど、コースの内容は季節やその日の食材によって変更。
最後は、4種類ものプチデザートを盛り合わせた華やかなプレートでフィニッシュ。スタートからエンディングまで、少しずつさまざまな味わいで楽しませてくれる。

手作りのデザートと自慢のコーヒーを満喫。


ウェディングのフルコースからデザートビュッフェ、カフェタイムのアフタヌーンティまで手がけるシェフは、スイーツ作りもお手のもの。サンドイッチやパスタも提供されるカフェタイムには、ケーキセットを手軽にどうぞ。お供にはインドネシアのスペシャルティコーヒー「トアルコ トラジャ」がおすすめ。フローラルな香りの軽やかな味わいが、フルーツタルトにぴったり。
フルーツタルト750円、ケーキセット1,250円。
フルーツタルト750円、ケーキセット1,250円。
ゆったりと過ごしたくなるそのわけは、こだわりの家具にも。テーブルを囲む椅子は、インテリア好き、北欧好き、建築好きなど多方面からファンを集める名作、「CARL HANSEN & SON」のYチェアで揃えられている。使い込まれた風合いにも、魅力が感じられる。

エレガントに味わうワインもおすすめ。

「LE JARDIN」では、ソムリエセレクトのワインリストも用意。時にはランチワインイベントやテイスティングパーティを企画するなど、ワイン好き必見のお店だ。じっくりと味わいたいなら、完全予約制のディナータイムが良さそう。公園の中にあり、美術館の閉館後ともなれば、あたりは一層静かに。世田谷の穏やかな空気を味わいながら、食事を楽しもう。



Text:Kahoko Nishimura
Photo:Natsumi Kakuto



いつもと違う東京都観光には、世田谷美術館の〈LE JARDIN〉がおすすめ。
 

LE JARDIN


所在地東京都世田谷区砧公園1-2
アクセス東急田園都市線「用賀」駅より徒歩17分
電話番号03-3415-6415
URLhttps://www.setagaya.co.jp/le_jardin/
営業時間ランチ11:00〜14:00LO、ティータイム14:30〜17:00LO、ディナー(完全予約制)17:00〜20:00LO
休業日月曜(月曜が祝日の場合、翌火曜)

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。