現代アートを見つめて、心に残るショッピング。

右:アンソニー・カロ《発見の塔》1991Photo:Kenta Hasegawa(写真提供:東京都現代美術館)
右:アンソニー・カロ《発見の塔》1991
Photo:Kenta Hasegawa
(写真提供:東京都現代美術館)

江東区清澄白河といえば、ここ数年で都内有数のコーヒーの街として認知度を高め、散歩に訪れたい街の一つ。コーヒーを買って休憩するのにもぴったりな木場公園には、「東京都現代美術館」が建っている。今回はその中に構えるショップ「NADiff contemporary」が目的地だ。

Photo:Kenta Hasegawa(写真提供:NADiff contemporary)
Photo:Kenta Hasegawa
(写真提供:NADiff contemporary)

現代アートの保存、継承、発信を行うこの美術館において、ショップもまた発信の地。ここでは、展覧会に展示されるアーティスト関連のアイテムはもちろん、ショップが見つけてきた次世代の作家の品や、現代美術の見方を学べる本など、さまざまな角度から“現代アートのスピリット”に触れることができる。

 

“生まれたばかりのアート”を身につける。


ドーナツ型のように円形に広がった店内には、本、雑貨、アパレル、アクセサリー、フレグランス……と、実にバリエーション豊かな商品が並んでいる。中でも幅広く扱われているのが、「展示作品にも通ずる現代アートの要素がある個人作品」と、ショップの店長が教えてくれた。

横尾忠則やアンディ・ウォーホルなど、「東京都現代美術館」には著名アーティストの作品も数多く収蔵されるが、ショップで紹介される若手作家たちの活動にも注目したい。
横尾忠則のグッズはショップでも多く取り扱う。今人気なのは過去に手がけたポスター作品を使ったポストカードだという。
横尾忠則のグッズはショップでも多く取り扱う。今人気なのは過去に手がけたポスター作品を使ったポストカードだという。
「どれもおすすめなのですが」と前置きして見せてくれたのが、「途中でやめる」のアパレル。「こうしたアイテムにしては、どれもかなり手頃な値段です。というのも、ブランドを手がける山下陽光さんは『資本主義社会の中で過剰な富を求めず、どうやって好きなことをして生活していくか』を考えている方なんですね。お客さんも自分もハッピーになれる製作をしているというのです。この考え方が、現代美術的だなと思います」。テキスタイル/デザインレーベルの「YUKI FUJISAWA」もおもしろい。ヴィンテージの素材に箔や染、レースをあしらい、一点物のアートピースとして制作している。写真のトートバッグに付けられたタグには、それぞれ作られた年代や国、元の姿の写真などの情報が載っていて、一つ一つのストーリーに想いを馳せられる。「Chihiro Baba」のジュエリーは、鏡の破片を使ったコンセプトが素敵。「他人は自分の鏡」という言葉をモチーフにしているといい、文学的だ。「本物の破片を使っているので、同じものは二つとありません」。
左「Dot Mirror」ピアス(大)8,800円(2個セット)、右「カラーピアス」7,480円(2個セット)。破片の角は丁寧に研磨され、安全に着けられる。
左「Dot Mirror」ピアス(大)8,800円(2個セット)、右「カラーピアス」7,480円(2個セット)。破片の角は丁寧に研磨され、安全に着けられる。
「こちらはマテリアルが面白いですよ」と教えてくれたのは、「nezu」というデザインレーベル。チューブ、ネット、ビニールなど、普通はジュエリーには使われない素材を用い、ユニークなアクセサリーを作っている。さらには、パッケージがアクセサリーのようにデザインされたコスメも展開。メタリックなカラーや大粒ラメの仕込まれたものなど、1色ずつ異なる表情に仕上げられている。飾っておきたくなるパッケージで、身支度の時間が楽しみになりそうだ。

感性を磨くための、サポートアイテム。

「現代アートを継承する上で、美術を鑑賞する『目』も養っていかなければなりません」と、扱う書籍は現代美術を見るために必要な知識を得られる本や、作品集がメイン。オーソドックスなテキストや資料集はもちろん、よりフランクに触れられる絵本やマンガなど、ビギナー向けもたくさん。見ていると、「なんとなく」の鑑賞はもったいないと思えてくれる。
「香りは記憶と結びつくもの。感覚をトレーニングすることができ、美術鑑賞に役立つのではと思っています」と、ルームフレグランスや香水を多く取り揃えているのも独特だ。
 
特に、山中湖にアトリエを構える「暮らしの香り」のアイテムが豊富。「森閑」「ひだまり」「苔寺」などナチュラルな香りも珍しく、ブランドオリジナルの器も美しい。「暮らしの香り」でユニークなのは、硯のようなデザインのフレグランスバー。少しずつ削ることで香りが立つ仕組みだ。香りを立てるこの瞬間、気持ちも整う。心を落ち着け、目の前のアートや暮らしと丁寧に向き合えそうだ。
フレグランスバー1,650円、ボーンチャイナの器は6,050円。
フレグランスバー1,650円、ボーンチャイナの器は6,050円。

気持ちを落ち着けるという意味では、「tumi-ishi」もおすすめ。多面体の木製ブロックで、バランス感覚と想像力が養えるというものだ。奈良・東吉野村で作られ、木材の種類やカラーバリエーションがいろいろ。出しっぱなしでもオブジェのように楽しめる。

とりわけ難易度が高いという「MINI-MIX」22,000円。それぞれ木の種類が違うから重さもバラバラなのだ。
とりわけ難易度が高いという「MINI-MIX」22,000円。それぞれ木の種類が違うから重さもバラバラなのだ。

“現代アート”を体現するミュージアムショップ。


美術館オリジナルロゴグッズも根強い人気。カラフルなキーホルダーは、アクリル工場で出る端材をアップサイクルしたもので、訪れるたびに違ったカラーに出会えるそう。来館の記念に集めるのも良さそうだ。




Text:Kahoko Nishimura
Photo:Natsumi Kakuto



いつもと違う東京都観光には、江東区の〈NADiff contemporary〉がおすすめ。

NADiff contemporary


所在地東京都江東区三好4-1-1 東京都現代美術館内 1F
アクセス東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」から徒歩約9分
電話番号03-5875-9959
URLhttp://www.nadiff.com/?page_id=180
営業時間10:00〜18:00
休業日美術館に準ずる

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