列車と海と音楽とビールで、最高の脳内旅行に旅立つことができる。
列車の窓から海を眺めながら旅をするのは最高だ。そしてそこに、海に合った音楽とビールがあれば、この上ない幸せに浸ることができる。
海はどこの海でもいい。海はそのまま遠くの国にまで繋がっているので、雰囲気に合った音楽を聴きながら海や水平線を眺めているだけで、簡単にその向こうの世界へ想いを馳せることができる。
たとえばハワイ。ウクレレの音色を聴いているだけで、目の前の海岸にヤシの木が見え隠れし始め、水平線に虹が半分錯覚のように見えてくる。目を細め、太陽がキラキラ反射している海を眺めているだけで、透明なサンゴの海が見えてきたりもするから不思議だ。
また、海の波動を感じられる曲に浸ることで、海中に想いを馳せ、ゆらゆらと水の無重力感に身を任せることもできる。水中に差し込む光、岩の上を魚群が泳ぎ去る様子、そして一緒に遊びたそうに泳ぎ寄ってくるイルカたち…。そんな光景を想像しながらビールを一口飲んで、想像力を少しアップする。
列車と海と音楽とビール。これらが揃うと最高の脳内旅行に旅立つことができる。目的地に到着するのが惜しくさえなってくるから、ぜひ試してみて欲しい。
1. 海より遠く | ウォン・ウィン・ツァン |
2. Oka Pikake | HAPA |
3. Sweet Dream | リチャード・エリオット |
4. Blue Lagoon | 高中正義 |
5. The big blue overture | Eric Serra |
6. Eku’u morning dew | Keola beamer |
7. Over the Rainbow | イズラエル |
Text:Junji Takasago
Cover art:Yoshiyuki Okada
高砂淳二(たかさごじゅんじ)
自然写真家。1962年宮城県石巻市生まれ。海中から生き物、虹、風景、星空まで、地球全体をフィールドに撮影活動を続けている。「Aloha」「Planet of Water」「night rainbow」「Dear Earth」ほか著書多数。地球のことなどを、メディアで幅広く伝え続けている。2022年、ロンドン自然史博物館が主催する写真賞「Wildlife Photographer of the Year」(第58回)の自然芸術部門で最優秀賞を受賞。