東京と名古屋のほぼ中間。日本有数の水揚げ高を誇る漁港がある静岡県焼津市。取材をしていたJR静岡駅から在来線で15分足らず、ということで焼津市まで足を伸ばしました！焼津駅を出ると、足湯の洗礼。さすが温泉の街としても有名なだけありますね。市民の方々でしょうか、憩いの場になっていました。

足湯に心惹かれつつも、お腹が空いてしまっているので早速港の方を目指します。この日は青空。広い空と漁船に心躍らずにはいられません。焼津と言えば、マグロを外すわけにはいきません。訪れたのは焼津漁港からすぐ近くの老舗「金寿し本店」。近くの姉妹店「地魚定」も人気店ですが、本店のこちらはお店の様子、そして働いている方々の様子も趣深いお店。
ランチに伺ったのですが、とにかくマグロのメニューが豊富で目移りしてしまいます…。そもあれせっかくなので「鮪三昧！特上にぎり」を注文。カウンターの中ではお二人の職人がどんどん仕事を進めます。目の前に並んだマグロは壮観。赤みに中トロ、大トロとどれも違って、どれもいい色をしています。もちろん味は言うことなし、です。それぞれの違いを感じられて（お汁もマグロのアラ汁！）かなりのボリュームでありながら、ぺろりと堪能。ごちそうさまでした！

 腹ごなしにぷらぷら歩いていると、すぐ近くになんだか気になる施設を発見。壁面に入っている「YAIZU PORTERS」の文字が素敵です。
ここは元々漁具の倉庫だったそうで、なるほど、漁港の目の前ですもんね。築60年にもなるその古い倉庫を“新たな交流を生み出す場”としてリノベーションされたという「焼津PORTERS」。1階はフードコート、2階は会員制のコワーキングスペースになっていました。
裏側には個室のブースがいくつも並んでいて、ドアの色合いからかちょっと異国情緒が漂います。1階でコーヒーを飲んでいると、1階と2階を行き来して打ち合わせをしている人もちらほら。ほどよい活気と気持ちのよいスペース。このような環境で仕事ができるのはいいですね。今回はあまり長居できませんでしたが、また改めて取材に来たいと思いました！新しい焼津を感じて勝手によい気分となったあとは、少し離れて、昔ながらの建物が並ぶ浜通りへ。実は以前から気になっていたお店のひとつ、だしの専門店「マルハチ村松 浜通り店」へ。「マルハチ村松」は創業なんど明治初年。鰹節製造業から始まり、鰹のお出しを作ってきたこのお店は、昔ながらの商品も並びながら、今の時代に合わせた「やいづ善八」シリーズの商品も。液体でそのまま使える「だしプレッソ」や「つゆプレッソ」はパッケージも可愛くてお土産として即購入。大満足です。そのまましばし散歩。気候がよくて、海を眺めてはチルアウト。ほどよい疲れを感じたところで温泉へ。伺ったのは「焼津温泉 元湯なかむら館」。焼津市内でも珍しい、創業当初から（60年以上前！）100％完全源泉かけ流し。施設は2021年にリニューアルしたということで、とても綺麗です。カフェやレンタルスペースも併設して、現代の地域のコミュニティの場となっている感じがしました。気になる温泉のお湯加減は顔にかけると…だいぶしょっぱい？？聞くと無濾過、加水なしということで少し体が浮くくらいの塩分。おかげでそこまで熱くはないお湯加減なのですが、出た後もぽっかぽかでした。夕飯は昼間に通りかかって気になっていた「酒肴本丸」へ。お昼はマグロを堪能したので、次はカツオが食べたいな…と思っていたところ、大正解でした！というのも、おすすめメニューには「カツオの藁焼き」の文字が！しかも我々の座ったカウンターの目の前でまさに藁焼きが始まります…。もう目から美味しいです。店主の家業は近海カツオ一本釣り船（静岡県内一隻のみだそうです！）を営んでいるそうで、鮮度抜群なのはそう言うわけだったんですね。その他にもこだわりの感じられるメニューがたくさん。なめろう、天ぷら、カツオのへそ（！）…などをいただきながら、合わせるのはもちろん焼津の地酒「磯自慢」。はい、最高です。さて、港！魚！の焼津をすっかり堪能したところで、次の日は少し違う焼津を探しに。北部の方に行くとまた違った顔がありました。

訪れたのは「花沢の里」とよばれる山村集落。麓の駐車場に車を止めて少し登ると、坂の途中に風情のある建物が建ち並びます。その建物と、横を流れる花沢川そして木々や草花との調和が素晴らしい…！散策しながら味わい深い石垣を眺めたり、かわいらしい草花を写真に収めていると「こんにちは〜」とハイキングの装いの方々が通ります。今回は残念ながら行けませんでしたが、さらに奥に登るとハイキングコースがあって、頂上からは駿河湾が一望できるそうです。民家の中に、すてきな看板を見つけました。「カントリーオーブン」、蔵＆庭カフェとも書いてあり、ちょうどお茶でもしたいと思っていたこともあり迷わず中へ。トンネルのようにくぐって入っていくというのが、また気分が上がります。入ってみると想像通りのなんとも素敵な雰囲気。古民家や蔵を改装したカフェで、コーヒーや焼き菓子などがいただけます。我々が座ったのは、最近改築したと言うかつては蔵だったスペース。元々の味わいも残しながら、美しく改築。窓から見える山の近さがいいですね。
その美しい改築をお願いしたという建築会社の親方（！）の手仕事雑貨や、そのほかにも魅力的な雑貨が。お土産物がまた増えました（嬉）。そろそろ帰りの時間が迫ってきました。最後は、寄らずには帰れない「サスエ前田魚店」。
店主である前田尚毅さんは、数多くのテレビ番組や雑誌などでも取り上げられ、さまざまなグランメゾンとも取引をされていますが、ずっと焼津に根ざした魚の専門店の5代目でもあります。いつも地元の人で賑わっているというこちらのお店へ、念願叶って訪れることができました！活気のある店内で、どれを見てもとにかく美味しそう…って言葉しか出てきません。カゴにたくさん入れている地元の方々を羨ましそうに眺めながら、時間が許せば片っ端から食べていきたいところでしたが、この日移動の予定のある我々は泣く泣くお刺身は断念し、こちらも「サスエ前田と言えば…」の鰯の干物を購入！帰って自宅のコンロで焼いただけですが、それはそれは感動する美味しさでした。

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“全部のせ”と言いたくなるくらい、少々かけ足で様々なスポットを巡ってしまった今回の焼津でしたが、もちろん気になるお店や魅力的なスポットはまだまだたくさんあります。次回はじっくりゆっくりの焼津旅もいいなぁと思いながら、帰路についたのでした。

Text & Photo：tabigatari editorial department


海も山もあれこれ贅沢に味わうには静岡県の〈焼津市〉がおすすめ。
 

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焼津港 金寿し 本店

所在地	静岡県焼津市中港４丁目1番12号（Google Map）
アクセス	JR焼津駅より徒歩10分
電話番号	054-627-0933
URL	https://kinzusi.com/
営業時間	11時00分～14時00分、17時00分～21時00分
休業日	火曜・水曜

焼津PORTERS

所在地	静岡県焼津市中港3丁目1-16（Google Map）
アクセス	JR焼津駅より徒歩12分
電話番号	054-631-6016（スマートホテルソリューションズ総合受付）
URL	https://yaizuporters.jp/
電話受付時間	10:00〜16:00（平日のみ） ※イベント情報などはホームページのイベントカレンダーをご確認ください

やいづ善八／マルハチ村松 浜通り店

所在地	静岡県焼津市城之腰108-1-1（Google Map）
アクセス	JR焼津駅より徒歩20分 焼津市自主運行バス焼津循環線「北浜通」より徒歩5分
電話番号	054-628-7371
URL	https://www.yaizu-zempachi.jp/
営業時間	平日・土曜：AM9:00～PM5:00
休業日	日曜 ※祭日はお問合せください。

焼津温泉 元湯 なかむら館

所在地	静岡県焼津市駅北１丁目１４−７（Google Map）
アクセス	JR焼津駅より徒歩5分
電話番号	054-628-4397
URL	https://nakamurakan.co.jp/
営業時間	10:00～20:00（最終受付 19:30）
休館日	水曜

酒肴本丸 駅前栄町店

所在地	静岡県焼津市栄町1-3-6（Google Map）
アクセス	JR焼津駅より徒歩2分
電話番号	050-5494-8078
URL	https://nbty801.gorp.jp/
営業時間	17:00～23:00 （L.O.22:45、ドリンクL.O.22:45）
休業日	日曜・第2月曜

カントリーオーブン（蔵＆庭カフェ）

所在地	静岡県焼津市花沢18（Google Map）
アクセス	JR焼津駅から車で10分　※花沢の里観光駐車場をご利用下さい。
電話番号	080-5139-3670
Instagram	@countryoven_niwacafe
営業時間	10:00～16:00（L.O.15:30）
休業日	不定休

サスエ前田魚店 西小川店

所在地	静岡県焼津市西小川４丁目１５−７（Google Map）
アクセス	JR焼津駅から車で10分
電話番号	054-626-0003
URL	https://sasue-maeda.com/
営業時間	10:00～17:30
休業日	水曜・日曜

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。