現代アートとの融合で、美術がもっと近くなる。

新大阪駅からもアクセスのいい中之島という街は、いま大阪を訪れるなら立ち寄りたい場所。少し歩けばおいしいレストランやカフェに出会えて、特に大人の女性に人気があるという。2022年2月にオープンした新スポット〈大阪中之島美術館〉は、その中心的存在。１階にはデンマーク発のインテリアプロダクトブランド「HAY」も関西初のフラッグシップショップとして出店していて、デザインやアートが好きな人に注目を集めている。

ここでしか見られないラインナップを楽しみたいなら、今回は2階にあるミュージアムショップ「dot to dot today」へ。開放的なエリアにクールなインテリアが設けられていて、入る前から期待が膨らむ。

　　　　　　　　　　

関西にゆかりのある作り手に出会う。

旅先では、そこで活躍する作家やアーティストに出会えるのが一つの楽しみ。「dot to dot today」のようなミュージアムショップは、その案内役としてとても頼りになる。大阪をはじめ、京都、奈良など関西で作られるアイテムを見てみよう。

デザインを楽しむ、小さな品々。

大阪を拠点に工業デザインを中心に町工場の自社商品支援なども行うデザインスタジオ「KAIRI EGUCHI STUDIO」によるペン「Serpentinata」。ルネサンス期のテクニックというひねりのデザインは、右利き用と左利き用が作られている。大切に使い続けたいペンだ。何気なく選びがちなステーショナリーが素敵だと、仕事や勉強に向き合う気持ちも変わりそう。同じく大阪を拠点に活動する「∠11°（ジュウイチド）design」が作るアルミの物差しは、作り手である花園園恵さん、松村愛子さんという二人の建築士ならではの着想。市松や七宝の模様が施されて日本の伝統も感じられるけれど、モダンなデザインとカラーでスタイリッシュに。

遊び心あふれる、二つのカードセットを発見。大阪在住のイラストレーター・朝野ペコさん、多ジャンルのデザインを手掛けるしんごさんがコラボレーションして作った「PENGO」は、自由にスケッチして楽しむトレーディングカードだ。飾ったり、プレゼントしたり、交換したり、とアナログなコミュニケーションができて新鮮。

大阪で創業したカーペットメーカー「堀田カーペット」が作ったトランプもユニーク！世界には3000種以上の羊が生息していると言われていて、カードにはどれを取っても違う種類の羊が描かれている。イラストを見ているだけでも面白い。付録の羊の発展系譜ポスターと見比べながらどうぞ。

ショップを手掛ける会社のグループに、安心安全な食を届けるグローサリーストア「フードオーケストラ」があることから、食にまつわるコーナーも。大阪といえば、なスパイスカレーも、ジャケ買いしたくなる。

食卓を豊かにするアイテムとして、什器も欠かせない。大阪を拠点にするレーベル「Oy」が作るコップは、円柱と円柱をくっつけたような形。横から見ても上から見ても美しく、お茶の時間をエレガントに演出してくれそう。飲み物だけでなく、花やペンなどを挿してインテリアにしても。

インテリアグッズの、シルエットを愛でる。

自然光がたっぷりと入る広々とした店内には、家具や家電も陳列。ゆったりしたディスプレイにより、それぞれの美しさが引き立てられている。

実物を見てショッピングできるのは珍しいという、「マーフ」のプロダクト。木工家・デザイナーの村尾信太郎さんによるインテリアブランドで、ここではスツールを販売している。玄関に置くことを想定してデザインされ、壁にピッタリとくっつけて置くことができるフラットな面、靴を履くのもスムーズな３本脚で、コンパクトな部屋にもぴったり。アートディレクターの三上嘉啓さんによるフラワーベース「Light in Your Colors」は、日の当たる窓辺に飾っておきたい一品。100通り以上の組み合わせができるカラフルなアクリル板は、ライトブルー、イエロー、パープルなど6種。4面全て違うカラーにしてポップに仕上げるもよし、ブラックとパープルの2色でシックにまとめるのもよし。誰かを思ってセレクトすれば、特別な贈り物に。

美術館ならではのアートなオリジナル品もおしゃれ。

美術館の収蔵品のポストカードは定番人気のアイテムだけど、ここでは一工夫加えたデザインに。現代のアーティストとコラボレーションし、新たなアートを生み出している。形や紙質もそれぞれ異なり、並べてみるとまた魅力的で、思わずコレクションしたくなる。

アメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》を現代作家の前田麦さんが解釈したら、ピクセルアートのようになった。ポストカードのほか、手ぬぐいやマグカップにも展開。抽象的なデザインで、生活に馴染みやすい。

店内で一際目立っているのが、オリジナルのバッグやTシャツが並ぶ一角。程よく主張のあるロゴがポイントとなり、いつものファッションにも合わせやすそう。それぞれの質が高く、長く使えるのもうれしい。
 「ワードローブにずっと置いておきたい服」がコンセプトのドメスティックブランド「tone」が作る大阪中之島美術館公式グッズのTシャツ。外に縫い目のあるストレスフリーな肌触りや、袖の内側に施されたロゴなど、ディティールにこだわりが満載。ショップスタッフの制服にもなっているから、着こなしの参考にして。

「20/80」のあずま袋に美術館のロゴを入れたバッグは、タフな機能性、シンプルかつ美しい姿。旅先で買い足したくなるトートバッグだが、これは旅が終わってからも大活躍してくれそう。

じっくりと時間をかけてお買い物したくなる。

気になるアイテムについてショップスタッフに問うてみると、それぞれのストーリーを教えてくれる。聞いているうちにどれも欲しくなってしまいそうだから、ときには広場でぼーっと休みながら、買うものを厳選したい。

Text：Kahoko Nishimura
Photo：Natsumi Kakuto


いつもと違う大阪府観光には、大阪市北区の〈dot to dot today〉がおすすめ。

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dot to dot today

所在地	大阪府大阪市北区中之島4-3-1 大阪中之島美術館2F
アクセス	京阪渡辺橋駅から徒歩約5分 大阪メトロ肥後橋駅から徒歩約10分 JR新福島駅から徒歩約10分
電話番号	080-4701-5219
URL	https://dottodot.today/
営業時間	10:00〜18:00
休業日	月曜

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