トップシェフによる気軽なランチに舌鼓。

今回の旅先、大阪中之島は近年再開発が進んでいて、流行りの店や施設が集まる人気のエリア。堂島川と土佐堀川という2つの川に挟まれた中洲で、そこを通り抜ける風が気持ちいい。バルやカレー店、コーヒースタンドなど食べ歩きも楽しそうなエリアに、どんと現れたのが2022年2月に開館した〈大阪中之島美術館〉だ。黒い外壁が印象的な建物の1階に、目的のレストラン「ミュゼカラト」がある。
ここは国内外から注目される心斎橋のフレンチレストラン「リュミエール」オーナーシェフの唐渡泰さんが手がける店。ランチやカフェタイムにはアラカルトメニューでカジュアルに楽しめ、夜にはお酒と相性バッチリの様々なおつまみメニューや上質なフレンチコースを提供している。開店時間の前には、オープンを待ち侘びるお客さんが集まってきていた。

目で見ておいしい、彩り鮮やかな食事で元気に。


唐渡さんの料理は、美しい盛り付けも魅力の一つ。それがさらにブラッシュアップされ、「視覚にも訴えかけるメニューを」と彩り豊かな食事を表現しているそう。使われている食材は、契約農家から送られてくる無農薬レタスのほか、国産野菜がたっぷり。
ぜひオーダーしたいのが、1日50食限定の「スペシャルワンプレート遊園地」。メインと副菜が5種類ほど盛り合わせられたボリューミーな一品だが、野菜が豊富に摂れていつの間にかペロリと食べてしまう。牛の希少部位ランプを使ったローストビーフやグラチネの下には、キャベツ、なす、じゃがいも、トマトを煮込んだラタトゥイユが敷き詰められていて、いろんな料理と混ぜながらいただくのも面白い。
写真は6月25日までの企画展に合わせてアレンジされた「スペシャルワンプレート遊園地」2,750円。ミニデザート付き。
写真は6月25日までの企画展に合わせてアレンジされた「スペシャルワンプレート遊園地」2,750円。ミニデザート付き。
サイドの料理にも注目を。セットのスープこそ、野菜の旨みを堪能するのにうってつけだ。具材としてもどっさりと入っている香味野菜やにんじんに加え、しじみと鶏の出汁をほんの少しを入れることでコクのある味わいに。塩味も抑えられたマイルドさに、ほっと一息。

そして、国産小麦で作られたパンに添えてあるのは、バターではなく自家製のトマトソース。新鮮な組み合わせを知る、レストランの醍醐味がここにある。
「クロワッサンサンド 燻製チーズ風味 タマゴ丸ごととろーり」990円。
「クロワッサンサンド 燻製チーズ風味 タマゴ丸ごととろーり」990円。
もう少しクイックにランチをいただきたいなら、クロワッサンサンドがおすすめ。当日朝お店で焼くクロワッサンは柔らかく香ばしい。そこに挟むのは、無農薬レタス、ハーブ入りのハム、半熟卵、そして燻製ポテトサラダ。スモーキーな香りがふわりと広がり、とろりとした卵が全体をまとめてくれる。テラス席で、ピクニック気分で楽しむのも良さそう。
 

華麗なるスイーツ、“にせんべろ”、と楽しみ方いろいろ。


ここではアフタヌーンティー目当てのお客さんもいるほど、スイーツも評判。シェフがおすすめしてくれたのは、昔ながらのプリンアラモードをイメージしたというパフェだ。
「龍の卵とジャージー牛乳のプリン パフェ仕立て」1,320円。
「龍の卵とジャージー牛乳のプリン パフェ仕立て」1,320円。
黄身が濃厚な大分県産の卵「龍の卵」を使ったプリンは、口当たりなめらかで風味よく、その周りをシュークリーム、リーフパイ、フランボワーズのフィナンシェなどが飾っている。ヴィジュアルから味わいまで、キュンとしっぱなしだ。
「うちではお酒のおつまみになるパテドカンパーニュも人気なんですよ。14時からは『ミュゼカラト Special にせんべろ』というフードとドリンクのセットも。美術館がクローズした夜の時間も、レストランでゆったり過ごしてくださいね」とシェフ。飲み歩きも楽しい中之島エリアならではの、ユニークなメニューだ。広い店内を見渡すと、鏡張りの壁にはさまざまな形の額縁がデザインされている。「アートを飾ることもできますが、あえて額縁のみを施しました。美術館で見てきた作品を思い出しながら語り合っていただきたいですね」と店主。この落ち着いたトーンのインテリアだからこそ、カラフルな料理がより映えるのだ。
 

人気の街、大阪中之島のホットな場所へ。

「ミュゼカラト」は美術館のオープンから約半年後の2022年8月に開業。まだ新しいこの店で、これからどんな美しい料理が生み出されていくか、期待が膨らむ。



Text:Kahoko Nishimura
Photo:Natsumi Kakuto



いつもと違う大阪府観光には、大阪市の〈ミュゼカラト〉がおすすめ。
 

ミュゼカラト


所在地大阪府大阪市北区中之島4-3-1 大阪中之島美術館1F
アクセス京阪渡辺橋駅から徒歩約5分
大阪メトロ肥後橋駅から徒歩約10分
JR新福島駅から徒歩約10分
電話番号06-6940-7025
URLhttps://musee-karato.com/
営業時間11:00〜21:00(最終入店19:30、20:30LO)
休業日なし

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。