まるで昭和にタイムスリップしたかのような雰囲気。


昭和26年(1951年)から東京・浅草の中心に店を構える洋食屋〈ヨシカミ〉。食べログ「洋食 百名店2022」にも選ばれている、今も昔も多くの方が通う名店です。

お店の誕生当初は、地元の商工業者が多く通い、時代と共に家族連れやサラリーマン、カップルなど様々なお客様が訪れるようになったといいます。ドアを開けてすぐに目に留まるのは芸能人のサインの数々。いろんな世代の方から愛されている事が伝わってきました。

お店のレトロな雰囲気から暖かみを感じます。それもそのはず、建物は1960年に建て替えて以来、そのまま使用しているそう。まるで昭和の時代にタイムスリップをしたかのようで、思わず胸が躍ります。

今の“美味しい”に合わせる、素材の旨みを最大限に生かしたビーフシチュー。


「すぐできるけど大丈夫?」そう聞かれて本当にすぐ出てきたのは、お店の看板メニューともいえるビーフシチュー。入っている具材のすべてがゴロッと大きく、食べ応えがありそうなビジュアルが食欲をそそります。お肉は、スプーンで割くことができるくらいの柔らかさ。デミグラスソースは野菜のうまみが凝縮された大人な味わいで、牛すじと野菜を長時間煮込むことでコクに繋がるそうです。
創業当初から変わらない味なのかと代表の吾妻さんに伺ったところ「時代によって“美味しい”は変わっていくもの。だからだいぶ味は変わっていると思います。若いから分からないかもしれないけど、お菓子だって今と昔じゃ味がちがうでしょ?」と答えてくださいました。

お店で一番注文が多いのはやはりビーフシチュー。レストランなのでメインであるステーキやビーフシチューなどの肉料理がおいしいことが重要だと考えているそうです。思いがこめられたビーフシチュー、大変美味しくいただきました。
昔ながらの固めのプリンも美味。
昔ながらの固めのプリンも美味。

トレードマークのコックさん。


店内で目を引くのが口ひげをはやしたコックさんのマーク。外装から店内、コックコートといたる所で見つけました。こちらはお店のキャッチコピー『旨すぎて申し訳ないス!』と共に昭和35年(1960年)頃より使われるようになったそう。このフレーズは「下町の洒落」「ここまで口にだしたからにはそれなりの料理を」という2つの思いが込められているとの事です。
また、コックのマークが画かれたコックコートには、それぞれ1人1人に異なる数字が刺繍されていました。伺うと、「入社時に与えられる背番号のようなもの。みんな同じコックコートでどれがだれのかわからなくなっちゃうでしょ?」そう教えていただきました。
コックさんのマークに、コックコートの背番号。みなさんもお店を訪れる際にはぜひ、探してみてください。
東京の下町・浅草の雰囲気をたっぷりと味わえる〈ヨシカミ〉。普段のランチにも、観光で浅草に訪れた際にもおすすめです。
 



Text & Photo:tabigatari editorial department




いつもと違う東京都観光には、台東区の〈ヨシカミ〉がおすすめ。

ヨシカミ


所在地東京都台東区浅草1-41-4 六区ブロードウェイ(Google Map
アクセス東武伊勢崎線浅草駅東口浅草寺側出口より徒歩5分
電話番号03-3841-1802
URLhttp://www.yoshikami.co.jp/index.html
営業時間11:30~21:30(LO21:00)
休業日毎週木曜日(祝祭日は営業)

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。