取材で街を歩いていると、ひと目で入ってみたいなぁと思える建造物に出会うことがあります。浜松で出会った「浜松市鴨江アートセンター(以下鴨江アートセンター)」もその一つ。JR浜松駅の北口から少し歩いて、鴨江小路を左に曲がると、その建物はありました。入り口の時点で感じる存在感に、居ても立っても居られずにお邪魔してきました。
3連アーチのエントランス。入らずにはいられません。
3連アーチのエントランス。入らずにはいられません。
見るからに歴史を感じるこの建物は、1928年、静岡県の浜松警察署庁舎として建設されたそうです。1970年代までは警察所として、その後、浜松市鴨江別館として使われたのですが、2000年代に入り、耐震上の理由から全面解体の方針が。
しかし、2008年に浜松市民の保存運動により保存が決定。2013年から「鴨江アートセンター」として活用されているそうです。
素敵なアーチ型の入り口をくぐると、1階はロビーのような空間。置いてあるソファやテーブルなど、特別統一されている訳ではないのですが、なぜか空間にとてもしっくりきます。所々に飾ってあるお花や、オブジェなどもまた、程よい華やかさで気持ちのよいバランスです。
天井が高く、開放感のある1階ロビー。
天井が高く、開放感のある1階ロビー。
奥に行くと、書籍やチラシなどが置いてあり、その場で読むこともできます。また、棚にはレコードプレーヤーも置いてあり、なんと自由に持ち込んで聴けるとのこと!
そうなると、2階から先はどうなっているのか…とても気になります。これまた素敵なガラスのドアを抜けると、階段がありました。
そもそも「アートセンター」とはなんだろう?と思ってはいたのですが、2階に上がったら、すぐに納得できました。
鴨江アートセンターでは「制作場所提供事業 アーティスト・イン・レジデンス」を行っていて、アーティストやクリエイターが無償で制作・発表をできる個室が用意されています。その他、2階には誰でも利用できるロビーや一般の貸室もあります。さらにワークショップやイベントも開催されるなど、浜松市における「アート」の拠点となっているわけです。歴史ある建造物を有効利用し、公共施設として文化的な拠点となる…素晴らしい活用の仕方ですよね。
たくさんの刺激をもらい、充足感を得ながら外で出ると、真向かいにはまた素敵な建造物が!
こちらは「浜松市旧浜松銀行協会・木下惠介記念館」。2018年度から「鴨江アートセンター」と一体となり運営する「鴨江アートスクエア」構想を立ち上げ、更なる地域的な広がりを目指しているそうです。今回は時間切れとなってしまい、中に入ることができなかったのですが、次回は必ずお邪魔させてもらおうと思います!
日本を代表する映画監督である木下惠介の記念館は次回の楽しみに!
日本を代表する映画監督である木下惠介の記念館は次回の楽しみに!


Text & Photo:tabigatari editorial department


いつもと違う静岡県観光には、浜松市の〈浜松市鴨江アートセンター〉がおすすめ。

鴨江アートセンター


所在地静岡県浜松市中区鴨江町1番地(Google Map
アクセスJR浜松駅から徒歩15分
電話番号053-458-5360
URLhttps://kamoeartcenter.org/
開館時間9:00〜21:30
休館日12月29日〜1月3日・メンテナンス休館日

 
※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。