戦後間もない昭和21年(1946年)から続く老舗。
東京駅からも程近い銀座柳通りにあるカレーの名店〈ニューキャッスル〉。歌舞伎座や新橋演舞場も近く、歌舞伎界の著名人も通っているそう。
目玉焼きが乗ったカレーが描かれる、赤い看板が目印です。お店の外から店内まで、至るところに様々なサイズのカレーのサンプルがおいてあり、見ているだけでおなかがすいてしまいました。
創業は昭和21年(1946年)。固形カレールウが発売されたのが昭和23年ごろなので、歴史の長さを感じる事が出来ます。もともとは有楽町駅近くにありましたが、2013年に現在のこの店舗に移転してきました。
現在は3代目の飯塚さんが経営をしていて、代変わりをして10年ほどになるそう。2代目は今でもお店に顔を出す事もあるようです。
シャレ好きから始まった独特なサイズ表記も魅力のひとつ。
メニューは「カライライス」のみ。味や辛さは全て同じ、好きな大きさを選んで注文をします。しかし、このお店では“おおもり”を頼んでも小盛りがでてくるため要注意!
こちらでは京浜東北線の駅名で大きさを表記していて、品川(かなり少ない)・大井(少ない)・大森(小盛り)・蒲田(普通より少し少ない)とサイズアップしていきます。そのため“大井”は少なく、“大森”が小盛りになっているというからくり。なぜ京浜東北線になったのか伺ったところ先代がシャレ好きで、単に“大井”と“大森”を使いたかったからだそう。
そして、メニューにある一番大きいサイズは“つん蒲”で240gのいわゆる普通サイズになります。つんのめった蒲田で“つん蒲”。さらに、裏メニューにはそれよりも大きいサイズで川崎・鶴見があると教えていただき、“つん蒲”と“川崎”を注文しました。
多くの人から愛されるコーヒーとカライライス。
ルーをよそい目玉焼きをのせ、注文した2皿が届きました。注文が入ってから焼かれる目玉焼きは、津軽のたまご「じょっぱり」を使用していて鮮やかな黄身の色が食欲をそそります。メニューにある“つん蒲”はお店のロゴがあるお皿で、裏メニューの“川崎”は白いお皿に盛られています。理由を聞くと、お皿のロゴはすべて手書きのため、裏メニューの分までは余裕がなかったとユーモアを交えながら教えていただきました。
朝に仕込みを行い、一晩じっくり寝かせてから提供するのがこだわりだそうで、一緒に居合わせた常連客が「その日の分がなくなったらどうするの?」と質問。飯塚さんは「そしたら作って出しちゃう。でも、そうならないようにちゃんと仕込んでるよ。」と笑いながら話していました。
カライライスのおいしさもさることながら、飯塚さんのお人柄にも惹かれ多くの方にこのお店が愛されている理由が伝わってきました。
コーヒーをブラックで飲めない私は、せっかくハンドドリップで淹れてくれたコーヒーに、ミルクと砂糖を加えるのをためらっていると「コーヒーは嗜好品。嗜好品は本人が良ければどんな楽しみ方でもいいんだよ。」と声をかけていただき、美味しくいただく事ができました。この日いただいたのは、スマトラ産のコーヒー。豆は1ヵ月ほどで変わるそうです。すっきりとした味わいで、口の中がリセットされるかのように感じました。
お時間がある方は、コーヒーもあわせて頼んでいただきたいです。東京に来た際にはぜひニューキャッスルで思い出に残るひとときをお過ごしください。
Text & Photo:tabigatari editorial department
いつもと違う東京都観光には、中央区銀座の〈ニューキャッスル〉がおすすめ。
ニューキャッスル
所在地 | 東京都中央区銀座2-11-1 銀座ランドビルB1F (Google Map) |
アクセス | 東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅11番出口から徒歩約30秒 |
電話番 | 03-6264-0885 |
URL | https://www.instagram.com/newcastle_ginza/ |
営業時間 | 11:30~16:00 |
休業日 | 第2・第4日曜日・月曜日・祝日 |
※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。