春の東海・関西で、心と体にパワーを与えてくれる海の幸・山の幸のグルメ探訪を楽しみませんか。今回は、例年、桜の見頃を迎える春分の時期の東海・関西でおすすめしたい、ヘルシーで貴重な食べ物をご紹介します。
パワーあふれる春の食べ物に満たされる！春分の東海・関西への旅
二十四節気の春の節気「春分」は、「自然をたたえ、生きものをいつくしむ日」として国民の休日に定められている「春分の日」が制定されているように、現代でも親しみのある節気です。太陽の光が勢いを増す中、冬を耐え忍んだ生きとし生けるものが躍動し始める姿に誘われ、春の空気を思いきり感じたくなる方も多いのではないでしょうか。
そんな私たちに春の息吹をもたらしてくれるのが、栄養価が高く、味も良い旬の春野菜や魚介などのグルメです。桜前線が北上を続けるこの時期、心と体を元気にする滋味深い食べ物との出合いを求めて、東海・関西エリアへの旅行にでかけてみませんか。
春の駿河湾がもたらす静岡の「桜えびとしらす」
日本の湾の中で一番の水深を誇る静岡県沖の駿河湾では、富士山の雪解け水が注ぎ込み、豊かな漁場が育まれています。
その駿河湾の春を代表する食べ物といえば、桜えびです。静岡県の由比・蒲原・大井川地区のみで水揚げされる希少性から、「駿河湾のルビー」と称されています。カルシウム・食物繊維が豊富で、旨味のある甘さを味わえるのも魅力です。漁期は春と秋の年2回あり、春漁は3月下旬～6月初旬に行われています。
桜えびと並び、漁が解禁となる春の静岡産しらすも、一度は味わっていただきたい駿河湾の海の幸です。近海で採れる活きの良いしらすは、カルシウム・ビタミンを多く含み、厳しい鮮度管理を経て提供されています。
おすすめのグルメは、サクッとした食感の「桜えびのかき揚げ」や、ルビーピンクに輝く「生桜えび」のほか、透き通って見えるほど鮮度の高い生のしらすを使った「しらす丼」。ぜひ本場静岡でご賞味ください。
旨味たっぷり！10㎝超もある愛知の春の味覚「大アサリ」
東海エリアで次に紹介するのが、豊かな海の幸が育まれる三河湾・伊勢湾産の大アサリです。愛知県名産の“大アサリ”は正式な名称は“ウチムラサキ”といい、 春～夏に旬を迎えます。
その魅力は、何といっても10㎝ほどまで成長するサイズ感！海の栄養をたっぷりと吸収した肉厚の身は、カルシウムや亜鉛、鉄などのミネラル・ビタミンを多く含み、食べごたえも十分です。
炭火などで焼き上げる旨味たっぷりの「大アサリ」はSNS映えもするので、グルメ旅の思い出にもおすすめ。また、貝類の産地として知られる愛知県では、春に潮干狩りも開催され、多くの人でにぎわいます。
奈良の「下北春まな」は栄養価に富んだスーパーベジタブル
春分の時期の関西エリアでは、ヘルシーな山の幸が旅人を迎えてくれます。奈良県南部にある下北山村は、大峯山脈から流れ込む豊かな水源に恵まれた環境で、素朴な里山の暮らしが営まれている現代の秘境です。
奈良県認定の「大和野菜」にも選定された下北春まなは、古くから下北山村で自家栽培が続けられてきており、出荷量の少なさから「幻の野菜」との異名を持つ食べ物です。ベータカロテンやミネラル、食物繊維を多く含むことから美容と健康にも良く、「スーパーベジタブル」とも呼ばれています。旨味や甘味、ほのかな苦味のほか、肉厚な葉が生む柔らかな食感も楽しめるのが特徴です。
おすすめのグルメは、文化庁認定の日本遺産にも選ばれた郷土料理の「春まなのめはり寿司」。冬の間に収穫される下北春まなの漬物でご飯を包んだ食べ物で、明治時代から山仕事に従事する人々の間で広く親しまれてきました。ご飯に塩味や旨味が染みた滋味深い味わいが愛され、今もなお、地元の方のソウルフードになっています。
お刺身にもなる柔らかさと香り！春の京都の風物詩「京たけのこ」
関西のグルメ探訪はさらに京都へと続きます。3月上旬～5月上旬の京都では、早掘りの良質な京たけのこが、徹底した栽培管理によって生産されています。
芽が出てから竹になるまでの短い期間に、土の中で急速な成長を遂げる京たけのこの身には、アミノ酸やミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に蓄えられています。
旬のおいしさを味わうなら、お刺身がいち推しです。「白子たけのこ」とも言われるほどの柔らかさと白さ、香りの良さをご堪能いただけるでしょう。そのほか、山椒の葉と組み合わせた「たけのこの木の芽和え」をはじめ、なまり節などと煮る「たけのこの炊いたん」といったおばんざいもおすすめの京グルメです。
東海・関西への旅でパワーあふれる春の食べ物と出合おう
寒い冬の間に栄養素を取り込んだ海の幸・山の幸には、私たちの元気の源となるパワーが蓄えられています。桜咲く東海・関西エリアへのグルメ旅行で、旬の食べ物からパワーをいただき、春の訪れを謳歌してみてはいかがでしょうか。