子どもから大人まで楽しめる体験教室が盛りだくさん!


名古屋の観光地として名高い栄は、飲食店をはじめ、百貨店やファッションビルなどさまざまなスポットが集まっているエリア。そんな栄に、モノづくりをめいっぱい楽しめる隠れ家的お店がある。久屋⼤通駅から徒歩2分、ブライダルショップの一角にある〈クムッシュ〉だ。
明るい雰囲気の店内には、カラフルなトルコランプやキャンドルが棚いっぱいに並んでいる。美しい光景に早くも創作意欲が刺激されそうだ。
明るい雰囲気の店内には、カラフルなトルコランプやキャンドルが棚いっぱいに並んでいる。美しい光景に早くも創作意欲が刺激されそうだ。
ここではトルコランプやアロマキャンドルなどのモノづくりが楽しめるほか、マタニティペイントや、子どもの手形や足形をとってアート作品をつくる「ペタペタキャンパス教室」など、珍しい体験ができるのが魅力。今回はこちらで本場のトルコランプづくりを体験する。

オーナーの“大好き”をたっぷり詰め込んだ場所。


〈クムッシュ〉は2012年から始まり、今年でちょうど10年目を迎える。オープン当初はキャンドルの販売のみを行なっていたが、「手づくりしてみたい」というお客さんの声に応えて3年目からキャンドルづくりのワークショップを始めた。徐々にトルコランプやクリスマスオーナメントがつくれる教室など、体験イベントを増やして今に至る。
クムッシュのオーナー甲斐要江さん。
クムッシュのオーナー甲斐要江さん。
「何のお店と聞かれると困っちゃうくらいメニューが増えちゃいました。でも全部自分が好きなものだけを集めているんです」と甲斐さん。昔から絵を描くことやモノづくりが大好きで、いろいろなことに興味を持って取り組んできた。手先の器用さを生かして、趣味でビーズを使ったオリジナルのアート作品も手掛けている。
「細かい作業が大好き」と話す甲斐さん。いつかビーズアート作品で個展を開きたいと夢も語ってくれた。
「細かい作業が大好き」と話す甲斐さん。いつかビーズアート作品で個展を開きたいと夢も語ってくれた。
なかでもトルコランプとの出会いは、甲斐さんが旅行でトルコ・イスタンブールを訪れたとき。レストランやお店など至るところにトルコランプが置かれていて、その美しい色合いが生み出すエキゾチックな雰囲気に惚れ込んだという。専門店で山積みにされているだけでもかわいらしいトルコランプに目を奪われ、実際にひとつ購入して帰った。帰国してから日本でトルコランプづくりができると知り、「絶対につくってみたい!」と心が踊ったという。東京にあるトルコランプづくりのワークショップを行うお店で、トルコ人の方から本場のつくり方を学ぶことに。それ以来、トルコランプづくりにのめり込み、お店のオープン5年目からはトルコランプ教室もスタートさせた。今では一番人気の教室になっているという。
 

好きなガラスとビーズを選んで、自分だけのトルコランプづくり。


〈クムッシュ〉の特徴のひとつは、トルコランプの種類の多さ。卓上で使える小ぶりのキャンドルホルダーから、複数のランプを段違いで組み合わせた豪華な3連タイプまで、10種類以上から選べる。今回つくるのは、一番人気の「すずらんランプ」と、つるして飾れる「ランプチェーン」。どちらも同じガラスのランプシェードを使い、ガラス・ビーズの順番に貼り付けていく。
目の前にはさまざまな大きさやカラーのガラスやビーズが並んでいて、わくわく感をかきたててくれる。材料はすべてトルコから取り寄せているのが〈クムッシュ〉のこだわり。実は日本製のものと違い、同じガラスやビーズでも大きさや形に多少のバラツキが見られるが、それもいい味になって本場らしさが出る。
色味がわかりづらいときは光にかざしてみると、色の違いがよくわかるそう。鏡のガラスは電球からの光を通さないので、また違った見え方になるのもおもしろい。まずはメインとなるモチーフや、使うガラスを決めていく。幾何学的な模様が描かれた紙を参考に、ガラスを選びながら並べてみる。一番大きい星のようなモチーフは「ユルドゥズ」と呼ばれ、トルコランプの代表的なモチーフ。トルコ語で「星」を意味する言葉だ。
仕上げのビーズをきれいにつけるため、モチーフ同士の間は指1本分を空けて配置するのがポイント。今回の場合、大きいモチーフなら多くて3つまで配置できるという。小さなモチーフを5つ入れてもいいし、大きなモチーフを1つだけ配置してまわりを全部ビーズで埋めてもいい。自由につくれるところが〈クムッシュ〉ならではの楽しさでもある。お店に置いてある甲斐さん作のトルコランプも参考にしながら、デザインを決めていく。入れるモチーフと、その数が決まったら、さっそく貼り付け作業へ移る。5~10分ほどでのりが固まってしまうので、モチーフはひとつずつ順番に配置していく。ガラスをのせたら、空気を抜くようにぐっと指で押し付けるとぴったりとくっつきやすい。ガラス同士を1~2mmほど空けて配置するのもきれいに仕上げるコツだ。

モチーフを貼り付け終わったら、そのたびに甲斐さんがチェックしてくれるので安心。「いい感じ!」と褒めながら進めてくれるので、和気あいあいと作業できるのもうれしいところ。モチーフをすべて貼り終わったら、次はビーズを貼る作業へ。小さなカップに好きな色のビーズをたっぷり入れる。甲斐さん曰く、このビーズによって作品の印象が変わるという。白系のビーズならシンプルに仕上がるし、鮮やかな色合いのビーズを使えば存在感が増してくる。1色だけ使う場合と、数種類を混ぜる場合では見え方がまた変わってくるので、その配合が仕上がりを左右する。
ビーズの配合が決まったら、次の作業へ。先ほどより厚めにのりを塗ってもらった部分に、ビーズを振りかけるようにのせていく。細かいところは指を使って丁寧に。その都度ウェットティッシュでぎゅっと押すようにくっつけると、簡単には剥がれなくなる。隙間がないようにビーズを貼り付けたら作業は完了!
仕上げに甲斐さんの手でガラスとビーズの間を石膏でコーティングをするため、その日の持ち帰りはできないそう。後日、直接店舗に取りに来てもいいし、郵送してもらうこともできる。どんな風に仕上がるのかドキドキしながら、店を後にした。
 

美しく温かみのあるトルコランプで旅の思い出も色濃く残る。


数日後、トルコランプが手元に届いた。組み立ててスイッチを入れると、幻想的に色が重なり合い、その美しさにうっとり! 手づくりならではの温かみも感じられる。ランプをつけなくてもかわいらしいので、インテリアにも最適だ。自分でつくったトルコランプを眺めていると、あの日の楽しかった思い出が鮮明に蘇ってきて思わず笑顔になる。
「モノづくりに熱中することでストレス解消になったというお客さまからの声も多い」と話してくれた甲斐さん。〈クムッシュ〉にはひとりで訪れる人も多いそうで、なかには数ヶ月に一度のペースで通い、おしゃべりがてらモノづくりを楽しむ人もいるという。甲斐さんの明るくやさしい人柄に癒されているに違いない。心もほっこり温かくなるようなハンドメイド体験で、旅の思い出がもっと色鮮やかになったような気がした。



Text:Ayumi Otaki
Photo:Hako Hosokawa




いつもと違う愛知県観光には、名古屋市の〈クムッシュ〉がおすすめ。

クムッシュ


所在地名古屋市東区泉1-15-14 アルピニスト1F
アクセス地下鉄「久屋⼤通駅」から徒歩2分
電話番号052-953-8500
URLhttps://kumush.jp/
営業時間11:00~16:00 ※完全予約制
休業日年中無休

※記事中の商品・サービスに関する情報などは、記事掲載当時のものになります。詳しくは店舗・施設までお問い合わせください。