1000年以上窯の火を絶やさずに作られてきた焼き物の里で、薪窯焼きのピッツァをいただく。
和素材との掛け合わせにセンスが光る、芳しいランチ。
美術館とともに建築されたという風情のある建物に入ると、落ち着いた色のテーブル&チェアが並んでいる。ここはレストランというよりトラットリアの趣だ。気軽な雰囲気で食事が楽しめる。「かしこまった料理よりカジュアルなものが好き」と話すオーナーシェフの藤田貴広さんは、〈名古屋マリオットアソシアホテル〉で腕を磨いたのち独立。イタリアンやフレンチの本格的な技を、普段着で食べられる気さくなスタイルに落とし込んでいる。
ローストポークやローストビーフなど、ホテル時代に身につけた料理もサラダなどに添えられている。パスタとピザは、それぞれ月ごとに変わる4種類から好みのものをセレクト。「ナスとベーコンの甘みそピッツァ、豚バラの和風ペペロンチーノなど、季節の野菜を使った和風メニューもだんだんと増えてきました」(藤田さん)。それぞれの品にファンがいて、毎月同じものを食べにくる常連客もいるという。店では、美濃焼も積極的に使われている。ピザ窯で焼いているという自家製フォカッチャは、店からも程近い名窯〈幸兵衛窯〉の小皿。さらに、サラダの器は〈丸モ高木陶器〉から。この土地の魅力を再認識しながら、食事と会話を楽しもう。
食後の自家製ドルチェに心ときめかせる。
ランチタイムにはドルチェがセットにでき、+240円という価格にそぐわぬ豪華なプレートが登場する。こちらも手作りしているというから、さらに驚きだ。ティラミスはイタリアンチーズから作り、フレッシュなフルーツやクリームでデコレーション。これを食べずには帰れない、気分の上がるスイーツだ。
何度でも通いたい、いつものレストラン。
セットメニューだけでなく、季節ごとのアラカルトメニューやドルチェピッツァなど、1回では楽しみ尽くせないほど目移り必至。旅の基点にするのもいいかもしれない。
Text:Kahoko Nishimura
Photo:Natsumi Kakuto
いつもと違う岐阜県観光には、多治見市の〈石窯ピッツァ moon〉がおすすめ。
石窯ピッツァ moon
所在地 | 岐阜県多治見市市之倉町6-30-1 |
アクセス | JR多治見駅からタクシーで約15分 |
電話番号 | 0572-21-3353 |
URL | http://www.moon-t-f.com/ |
営業時間 | 11:30〜17:00(土日祝〜22:00) |
休業日 | 火曜(美術館に準ずる) |
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