アーティスト荒川修作氏と詩人マドリン・ギンズ氏が構想した巨大な体験型アート作品。
岐阜県西部、養老山地の麓を走る養老鉄道に揺られ、養老駅で下車。大正8年の創建当時の姿を残すレトロな駅舎は、特産のひょうたんで象られた「養老駅」のおどけた文字がなんとも愛らしい。今回の目的地〈養老天命反転地〉は、ここから歩いて15分ほど。どこまでも広がる青空とのどかな田園風景、その道のりが旅の高揚感を掻き立てる。
新たな楽しみ方で、アートを身近に。
〈養老天命反転地〉は主に2つのメインパビリオンで構成されている。「極限で似るものの家」と名付けられた迷路のような建造物と、すり鉢状の大地に「極限で似るものの家」を分割したオブジェが散りばめられた「楕円形のフィールド」だ。開園から27年。実は今、〈養老天命反転地〉は作者でさえ予想もしなかった、新たな楽しみ方が若者の間で話題となり、来園者数を伸ばし続けている。ユニークな建築構造や目の錯覚を利用して、誰でも簡単に不思議な写真が撮影できるフォトスポットとしての人気の高まりがその理由だ。
天地の双子構造を利用し、撮影した写真を上下反転させることで天井に座っているかのような写真に。(記事冒頭の写真も同様の方法)
新たな発見や気づきをもたらす、意外性との遭遇。
楕円形のフィールド
極限で似るものの家。屋根が岐阜県の形に、地面には岐阜県とその周辺の地図が描かれている。
・何度となく家を出たり入ったりし、その都度違った入り口を通ること。
・自分の進む速さに変化をつけること。
・しばしば振り向いて後ろを見ること。
こうしたさまざまな提案を受け入れることで、自分の身に起きる変化や反応により敏感に気づくことができ、楽しめるはずだ。
園内には荒川氏とギンズ氏が選んだ24種類の薬草が栽培されている。
開園当初と比較すると、園内は年々緑が繁殖して生い茂り、その表情を変えている。
開園当初と比較すると、園内は年々緑が繁殖して生い茂り、その表情を変えている。
Text:Eriko Sugita
Photo:Makoto Kazakoshi
いつもと違う岐阜県観光には、養老町の〈養老天命反転地〉がおすすめ。
養老天命反転地
所在地 | 岐阜県養老郡養老町高林1298-2 |
アクセス | 養老鉄道「養老駅」から徒歩約15分 |
電話番号 | 0584-32-0501(養老公園事務所) |
URL | https://www.yoro-park.com/facility-map/hantenchi/ |
営業時間 | 9:00〜17:00(最終入場は16:30) |
休業日 | 火(祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日) |
© 1997 Estate of Madeline Gins. Reproduced with permission of the Estate of Madeline Gins.
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