「大雪」は、読んで字のごとく降り積もる大雪を表します。より一層寒さが増し、動物たちも冬支度を始めるころ。南天が赤く色づき、いよいよ冬将軍の到来です。町では正月事初めがおこなわれ、人々は正月を迎える準備をはじめます。この時期の味覚といえば、やはり牡蠣。また世界遺産の雪景色や古刹の美しい寒牡丹も見逃せません。あわただしい毎日、温泉や季節のごちそうで疲れた体と心をねぎらいませんか。


※観光施設などの営業状況、およびイベントなどの開催状況については、お客様自身で事前にお問い合わせをお願いします。

白川郷(12月頃) イメージ
白川郷(12月頃) イメージ

岐阜 × 原風景
ぬくもり感じる白川郷。


冬の岐阜といえば、世界遺産・白川郷を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。手つかずの自然に、雪を載せた合掌造りの家々が並ぶ光景は、まるで絵本の1ページ。自分も登場人物になったかのようです。おすすめは高台にある荻町城跡の天守閣展望台からの眺望で、集落を一望できる絶好の撮影スポットです。白川郷で日本の原風景を堪能したあとは、雪で冷えた身体を温泉であたためましょう。奥飛騨温泉郷は、北アルプスの迫力ある大自然の中、平湯・新穂高・福地・新平湯・栃尾の5つの温泉が集まる場所です。日本有数の湯量を誇り、個性豊かなお湯が魅力です。

中でも最も歴史が古いのが平湯温泉。上杉謙信と戦っていた武田信玄の軍勢が、英気を養ったという言い伝えがある温泉です。12月下旬から凍り始める平湯大滝も、ぜひ訪れたいスポット。日本の滝百選にも選ばれています。

また、新穂高ロープウェイの麓にある新穂高温泉は、温泉郷の中で一番北アルプスに近い場所。露天風呂からは、ダイナミックな山々を望めます。ロープウェイで登った先にある西穂高口駅の展望台からは、穂高連峰や槍ヶ岳の絶景を見渡せます。

そして白川郷を訪れたら外せないのが、郷土料理の「すったて」です。「すったて」は、大豆をペースト状にすりつぶしたもの。飛騨牛を入れたすったて鍋を食べれば、身体も心もぽっかぽか。冬の白川郷でしか出会えない味です。温かいすったて鍋と温泉を楽しみながら、あなただけの旅物語を紡いでみませんか。


焼き牡蠣 イメージ
焼き牡蠣 イメージ

三重 × 食
清らかに洗われた牡蠣。


旬のものをその地で食べるのも、旅行の醍醐味のひとつです。三重県は、伊勢海老や松坂牛など、高級感あふれる美味しい食べ物が目白押しですが、この季節に外せないのが「的矢かき」です。三重県志摩市の的矢湾では11月から的矢かきがシーズンを迎えます。実は的矢かきは、コンセプト、信頼性、将来性など5つの観点で審査される三重ブランドの第一号でもあるのです。

牡蠣は鉄分、亜鉛などの豊富な栄養素を含んでいます。「海のミルク」と呼ばれていることをご存知の方も多いでしょう。焼き牡蠣はもちろん、牡蠣フライや牡蠣ご飯も美味しいですね。しかし、どうしても気になってしまうのが鮮度。特に生がきは、普段なかなか食べられる機会がないのではないでしょうか。

的矢かきは特許も取得している特別な方法で牡蠣を清浄滅菌しています。ですから、牡蠣の雑菌が取り去られ、安心して生食できるというわけなのです。伊勢湾周辺のホテルや旅館では、新鮮でプルプル、実がたっぷりと詰まった的矢かきをいただけます。えぐみが少なく、かつ甘みがあってとっても食べやすい的矢かき。「魚介類は好きだけど、牡蠣はあんまり得意じゃなくて」という方にもおすすめしたくなる味わいです。


長谷寺の寒牡丹(12月頃) イメージ
長谷寺の寒牡丹(12月頃) イメージ

奈良 × 花
古刹に凛と咲く寒牡丹。


皆さんは冬に咲く花と聞いて、どんな花を思い浮かべるでしょうか。椿、水仙、ポインセチア……もしかしたら、冬はあまり花が咲かない寂しい季節というイメージがあるかもしれません。しかし、実は冬が見頃の花もたくさんあり、寒牡丹もその一つです。春の花というイメージが強い牡丹ですが、寒牡丹は、春と冬の2回咲く「二季咲き」の牡丹なのです。

美しい人やその立ち居振る舞いを「立てば芍薬、座れば牡丹」と表現するように、古来から愛されてきた花。寒牡丹は繊細なため、菰(こも)に守られて育ちます。春の陽気の中で艶やかに咲く牡丹も、もちろん魅力的。ですが冬の寒さに耐えて咲く寒牡丹が菰からそっとのぞく姿は、なんとも健気で胸を打たれます。

そんな寒牡丹に出会えるのが、奈良県の古刹です。さまざまな古典に登場し「花の御寺(みてら)」と言われる長谷寺。春の牡丹や桜も有名ですが、寒牡丹も必見です。また、信仰心が厚かったとされる中将姫の伝説が残る石光寺(せっこうじ)では、冬に40種類の寒牡丹が咲きます。この冬、寒牡丹をたずねに、古刹めぐりはいかがでしょうか。運が良ければ、雪の中で咲く寒牡丹を見られるかもしれません。