1年のうちでもっとも昼が長く、夜が短くなる「夏至」。言葉のとおり、夏に至ると書くことから、この日を境に本格的な夏がはじまり、街中には緑の爽やかな光景が広がります。
早朝に見られるこの時期だけの朝陽や半夏生ならではの風習、びわ湖が作り出す鮮やかな色彩など、日が長くなるこの時期だからこそ、朝からめいっぱい楽しむ旅にでましょう。


※観光施設などの営業状況、およびイベントなどの開催状況については、お客様自身で事前にお問い合わせをお願いします。

夫婦岩と朝陽(6月頃) イメージ
夫婦岩と朝陽(6月頃) イメージ

三重 × 朝陽
大切な人と見る特別な朝陽。


二見浦の海岸に佇む夫婦岩。高さ9mの男岩と高さ4mの女岩が仲良く並ぶその姿は、縁結びの象徴として知られています。ここで夏至の時期にしか見られない、特別な景色に出会えることをご存知ですか。

実は夏至のおよそ前後1ヶ月間だけ、男岩と女岩の間から朝陽が昇るのです。晴れた日には遠くに富士山も見ることができ、富士山にかかる朝陽は「王冠富士」とも呼ばれています。まばゆく暖かい光が二つの岩を優しく照らし出すさまは、まるで天から祝福を受けているかのようです。

その夫婦岩のそばにある二見興玉神社は、恋愛成就・夫婦円満のご利益があるとされており、縁結びのスポットとして人気の場所です。二見興玉神社では、毎年、朝陽を浴びながら禊を行う夏至祭が開催されています。

お参りのあとは、ぜひ夫婦岩や二見興玉神社のすぐ近くにある水族館「伊勢シーパラダイス」へ。トド、セイウチ、ゴマフアザラシ、カワウソなどの動物と触れ合え、生き物との距離が近い水族館です。併設されている「伊勢夫婦岩めおと横丁」には、伊勢志摩の海産物や地域ゆかりのお土産品が豊富にそろっています。お買い物はもちろん、苔玉づくりなどのワークショップも楽しめます。

もちろん、そのまま二見浦の潮風に吹かれながら、厳かな気持ちで海岸を散策するのもおすすめ。人々が動き出す前の朝の時間を、大切な人と楽しんでみませんか。


日間賀島の蛸壺 イメージ
日間賀島の蛸壺 イメージ

愛知・大阪 × 食
多幸を味わう半夏生。


夏至から数えて11日目、7月2日頃を半夏生と呼びます。半夏生の「半夏」とは、烏柄杓という薬草のことです。

実は農家にとって、半夏生は大事な節目。なぜなら、半夏生までに田植えを終えていなければ収穫が見込めないとされていたから。「半夏半作」という言葉もあるくらいです。
無事、半夏生までに田植えを終わらせた農家は、田の神様を祀り、お神酒を供えます。

また、関西では半夏生の時期に蛸を食べる習慣があるのをご存じでしょうか。蛸の足には吸盤があることから、植えた苗がしっかり根付くように、という願いが込められているのです。

蛸といえば大阪のたこ焼きや兵庫県の明石焼きが有名ですが、大阪では縄文時代から蛸壺漁が行われていたという説もあります。関西では何千年にもわたって、蛸を食べる文化が醸成されていたというわけです。

そして三河湾にぽっかりと浮かぶ日間賀島も蛸にゆかりの地として知られています。愛知県の知多半島の先端からわずか2km、船で約10分と、名古屋から日帰りで気軽に行ける場所。安楽寺には、蛸に守られつつ海から引き上げられたといわれる蛸阿弥陀如来像があります。日間賀島が蛸を大切にしているのは、この像が由来だといわれています。伝統を後世に伝えるべく、毎年8月には蛸の供養と豊漁を願う「たこ祭り」を開催。蛸のつかみ取り、たこ神輿、花火など、大盛り上がりのイベントです。

西港のサンセットビーチ・東港のサンライズビーチなど、名所の多い日間賀島ですが、中でもぜひ訪れてほしいのが、東港から徒歩約10分の場所にある、高台の木に吊るされた恋人ブランコ。広い空と大きな海を眺めながら、子供の気持ちにかえってブランコを漕げば、凝り固まった心もするりとほどけていくはず。

蛸にはタウリンが豊富で、疲労回復の効果が期待できます。蛸と絶景のパワーで、心も身体も元気に夏を過ごしましょう。


びわ湖テラス プレミアムシート イメージ
びわ湖テラス プレミアムシート イメージ

びわ湖 × 自然
琵琶湖ブルーをひとり占め。


滋賀県の面積の約6分の1を占める、びわ湖。そんなびわ湖の湖畔約200kmを巡るびわ湖サイクリング、通称「ビワイチ」。レンタサイクルもあるので、初心者でものんびり2、3日かけて回ることができ、慣れた人であれば、なんと1日で1周できるそうです。

びわ湖には見どころがたくさんありますが、中でもぜひ訪れてほしいのが、打見山と蓬莱山の2つの山から息をのむような眺望が楽しめる「びわ湖バレイ」。その中でも「びわ湖テラス」から見る景観はなんとも形容しがたい場所なのです。

そこに広がるのは、青い水盤、ウッドデッキ、ソファが完備された大人の空間。湖と空、そして水が一体となってまるでびわ湖を独り占めしているかのような贅沢感を味わえます。早朝は雲海に出会えることも。夏でも涼しい風を感じられる、開放感あふれる場所です。天空に浮かぶテラスカフェでは、びわ湖だけでなく、比良山地や伊吹山、鈴鹿山といった周囲の美しい山並みを見渡しながら、滋賀県の食材にこだわったフードやスイーツをいただけます。

打見山山頂から見る景色と、蓬莱山山頂から見る景色はどちらも絶景で見るものを圧倒しますが、びわ湖バレイはそれだけではありません。スカイウォーカーなどのアクティビティが楽しめるエリアもあります。中でも人気なのが、森に張り巡らされたロープ上を滑車で滑り降りるジップラインアドベンチャー。まるで空を散歩しているかのような体験ができます。

季節によって様々な表情を見せるびわ湖。秋の紅葉したびわ湖や、冬の真っ白なびわ湖ももちろん美しいですが、この夏、びわ湖だけのブルーを感じてみませんか。


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